Field survey on the effect of thermal environment and air quality at home on blood pressure and lung capacity

2021 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 20K22443
• Research Institution: Tokyo Institute of Technology
• Principal Investigator: 海塩 渉 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 助教 (90881863)
• Project Period (FY): 2020-09-11 – 2022-03-31
• Keywords: 温熱環境 / 空気質 / 血圧 / 肺活量 / 実測調査

Outline of Annual Research Achievements

■実績
2021年度は2020年度から継続して、共同研究先である他大学や工務店の協力を得ながら、全国の実住宅の居住者に対してフィールド調査を実施した。2020・2021年度の2年間合計で約200世帯の調査を完了し、当初計画していた100世帯200名の倍近くのサンプルを取得することができた。住環境側の指標として温熱環境・空気質・カビを、健康側の指標として循環機能・呼吸機能等を測定し、併せて住宅性能や住まい方、個人属性や生活習慣に関するアンケート調査のデータを得ている。
現在、2020年度の冬に取得した調査データの統計分析を行うと同時に、昨年度と同様の手順で2021年度の冬に空気質サンプラーで捕集した各住宅の空気成分を、ガスクロマトグラフ質量分析計や高速液体クロマトグラフによって分析、空気中の化学物質濃度の定量化を行っている。またこちらも昨年度と同様、住宅内寝室の窓サッシの拭き取り検査サンプルから、PDAとDG18培地によってカビを培養し、菌数のカウントを行っている。今後は2021年度冬のデータ整理を終えた段階で、2か年分のデータを統合的に分析し、本研究の目的である「住宅内の温熱環境や空気質が居住者の血圧や肺活量に影響を及ぼすか」の検証を行っていく。その後、学会等で成果発表を行う予定である。
■意義
本研究課題は、世界の死因の7割を占める非感染性疾患（循環器疾患・がん・呼吸器疾患）の予防に貢献する居住環境のあり方を探究するための基礎調査である。住環境指標や健康指標を客観的に測定し、その関連を検討した事例は世界的に見ても僅少であるため、貴重なエビデンスの蓄積に繋がることを期待している。