2020 Fiscal Year Research-status Report
ウォーターフロントにおける防災・景観両立型の都市デザインの実践的研究
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20K22452
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
阿部 俊彦 立命館大学, 理工学部, 准教授 (00608466)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 景観 / 防災 / 防潮堤 / 復興まちづくり / 事前復興 / ワークショップ |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年度は、主に次に挙げる研究に取り組んだ。 まず、東日本大震災で被災した宮城県気仙沼市における復興まちづくりの中でも、防災及び景観整備を両立した防潮堤整備が実現している3つの事例の関係者にヒアリングを実施した。内湾地区(魚町、南町)のフラップゲート式防潮堤や、防潮堤と建築の一体型の防潮堤については、内湾地区復興まちづくり協議会の菅原会長にヒアリングを実施した。大島地区のウェルカムターミナルと斜面緑地の防潮堤については、まちづくり会社野土海の小山社長にヒアリングを実施した。大谷海岸地区の砂浜を残した道の駅と国道整備と一体化した防潮堤については、まちづくりのコーディネーターの三浦氏にヒアリングを実施した。 次に、将来の南海トラフ地震など、被災が想定される地区の防災・景観両立型整備の事例を対象として、三重県及び高知県の事前復興まちづくりの事例についての文献調査を実施した。特に高知県については、黒潮町の現地の津波避難タワーやビルなどの実例の現地視察を行った。また、景観と防災を両立した防潮堤整備の事例として、広島県宇品港及び大分県別府港の現地視察を行った。 以上の調査を踏まえて、防災と景観を両立するために実践された都市デザインの手法を抽出し、その課題と効果を考察した。 また、高知県宿毛市の片島地区堤防特別委員会を対象として、まちづくりのアクションリサーチを実施するために、ワークショップの企画及び運営を行った。今年度は、現況把握のために模型を作成し、防潮堤・景観・避難路・歴史文化ついて、地域住民の意見を収集した。また、高知県及び宿毛市の防潮堤整備事業や事前復興まちづくりの担当者にヒアリングを実施した。これらを踏まえて、景観と防災の両立可能な整備手法を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和2年度は当初、ステップ1「東日本大震災の復興まちづくりを対象とした事例調査」、ステップ2「被災が想定される地区の防災・景観両立型整備の事例調査」、ステップ3「まちづくりのアクションリサーチ(高知県宿毛市他)」の3つの研究計画を予定した。 そのうち、ステップ1については、資料収集、現地調査、関係者ヒアリング、事例の整理を実施することができたため、想定通りの成果を得られた。ステップ2については、資料収集を実施、一部、2年目に実施予定としていた現地調査も実施することができたため、想定していた内容以上の成果が得られた。ステップ3については、ワークショップを1回実施することができ、その成果は得られたが、COVID19の感染症対策の必要性により、ワークショップ参加者への個別ヒアリング調査を十分に実施できていないため、令和3年度に実施する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は引き続き、ステップ2「被災が想定される地区の防災・景観両立型整備の事例調査」、ステップ3「まちづくりのアクションリサーチ(高知県宿毛市他)」を推進する。 特に、ステップ3のアクションリサーチを推進するために、COVID19の感染症対策を十分に行った上で、景観と防災を両立した防潮堤整備のデザインを三次元CGや図面などを用いて作成し、片島地区堤防特別委員会の場で提案を示し、後日、ワークショップ参加者への個別ヒアリング調査を実施する。 以上の研究の成果を得た上で、2年目に実施予定としていたステップ4「研究のとりまとめ(事例のデータベース、マニュアル)」の作成に取り組む。
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Causes of Carryover |
(理由) 次年度使用額が生じた理由は、大きく2点である。まず、COVID19の感染症対策のため、当初予定していたステップ1「東日本大震災の復興まちづくりを対象とした事例調査」、ステップ2「被災が想定される地区の防災・景観両立型整備の事例調査」の現地調査の回数や同行人数を減らして研究を遂行したため、計画していた金額の旅費を使用しなかったためである。次に、ステップ3「まちづくりのアクションリサーチ(高知県宿毛市他)」は、ワークショップの後に、当初予定していた現地での委員会への参加及び記録をオンラインで実施したことにより、計画していた金額の旅費を使用しなかったためである。 (使用計画) 令和3年度は、ステップ1及びステップ2の事例調査については、COVID19の状況を注視しつつ、安全対策を取った上で、事例の詳細について調査を行うことで、研究成果を得られると考えている。また、ステップ3については、上記と同様に、COVID19の状況を注視しつつ、安全対策を取った上で、現地に出張し、委員会への参加及び記録を行う。なお、個別ヒアリングについては、オンラインで実施することとなる。それに係るオンライン設備を購入するため、当初よりも、物品費等の支出を増額、旅費の支出を減額し、全体の使用額の変更せずに、研究成果をあげる計画とする。
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