2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of mechanism and development of control method for re-aggregation phenomenon during wet ball milling of ceramics particles
Project/Area Number |
20K22457
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
久志本 築 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (10846439)
|
Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
|
Keywords | 粉体シミュレーション / 湿式ボールミル / 再凝集 / セラミックス |
Outline of Annual Research Achievements |
セラミックス製造過程で用いられる原料粒子は年々微細化が進んでおり、近年ではナノ粒子が必要とされている。一般にセラミックス原料粒子の微細化には、他の粉砕方法と比べてより微細な粒子まで粉砕できることから、湿式ボールミルが用いられる。しかしながら、湿式ボールミルを用いても粉砕可能な粒子径に限界があり、これは粉砕操作中に逆に粒子径が増大し始める「再凝集」が起こるためである。したがって、ナノ粒子まで粉砕するためには、再凝集の抑制が重要となるが、再凝集時の原料粒子挙動を実験から解析することが難しいため、再凝集のメカニズムはいまだ明らかにされていない。そこで本研究では、数値シミュレーションにより再凝集時の原料粒子挙動を解析可能とすることで、再凝集の発現メカニズムの解明とその抑制方法の開発を行った。 本シミュレーションでは、原料粒子と媒体ボールの挙動は離散要素法(DEM)を用いて追跡し、分散媒の運動は流体の支配方程式を有限差分法(FDM)に基づき近似的に解くことで表現した。さらに、原料粒子間の相互作用力としてDLVO理論に基づく分散・凝集力を考慮することで、湿式ボールミル内での分散・凝集挙動を解析できるようにした。また、本シミュレーションの妥当性は、媒体ボールが接近し離れる時の粒子挙動を高速度カメラで撮影し、粒子の移動速度を比較することで確認した。 開発したシミュレーション手法を用い、媒体ボールが繰り返し衝突する場での、原料粒子の分散・凝集挙動を解析した。その結果、媒体ボールの衝突時に再凝集粒子の核が形成され、媒体ボールが離れる際に再凝集粒子の核が成長することを明らかにした。加えて、この再凝集粒子の成長の抑制には、媒体ボールの離れる速度をより高速にすることが有効であることも明らかにした。以上から、再凝集の発現メカニズムを解明するとともに、その抑制方法を見出すことができた。
|