2021 Fiscal Year Research-status Report
実験プロセスや試料構造の影響を考慮して物性値を予測する次世代MIの開発
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20K22466
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| Research Institution | Kyoto University |
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Principal Investigator |
熊谷 将也 京都大学, 複合原子力科学研究所, 特定助教 (00881054)
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| Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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| Keywords | マテリアルズ・インフォマティクス / プロセス・インフォマティクス / 機械学習 / 材料工学 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、1. 構造情報からの物性値予測および2. プロセスによる物性予測に関する研究を行った。
1. 構造情報からの物性値予測に関しては、学習に利用するデータとして第一原理計算データベースMaterialsProjectからX線回折パターンを含む結晶構造情報を約63,000レコード取得した。その取得したX線回折パターンを入力とし、結晶構造情報や体積弾性率などの基礎物性を学習・予測対象とする機械学習モデルを構築した。X線回折パターンを特長ベクトルかする際、1.回折角度のみ、2.回折強度のみ、回折角度と回折強度両方の3つのパターンで比較検証することで、物性予測に対して必要な特徴を明らかにすることができた。XRDと物性との関係性を明らかにできたことは、学術的に意義がある。また、高速X線回折測定で得られた大量のX線回折パターンから物性を機械的に予測できることは、実験の効率化に対して貢献すると考えられる。
2. 前年度、論文PDFからのテキスト抽出により、プロセス情報と実験物性値と紐付けたデータセットを作成した。今年度は、このデータセットを使用した機械学習をおこなった。プロセス情報を含めた物性の予測を可能にすることは、新規材料開発の効率化に貢献することができるため大きな意義がある。しかし、今年度の研究において、論文から正確にプロセス情報を抽出できていないデータが存在することや、そもそも論文に十分なプロセス情報が載っていない可能性が確認された。本研究で計画していたプロセス情報と物性の関係性を解明するためには、実験ノートを電子化し、実験の段階のプロセスデータを集めることがより有効であると考え、本内容は今後の研究の展開として引き続き進めていく計画である。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の計画通り、1. 構造情報からの物性値予測および2. プロセスによる物性予測のいずれも順調に進めることができた。1に関する成果は、国内学会1件、国際学会2件の発表によって報告し、論文化も進めている。2については、想定していた成果の実現はできなかったものの、プロセス情報を含んだデータセットに関する課題が明らかにでき、今後の研究の展開が明確になった。また、本研究内容を進めていく中で検討が必要であった機械学習におけるデータバイアスの影響の解析に関して一定の成果が得られたため、国内学会1件、国際学会1件の発表を行った。以上のことから、本研究課題は概ね順調に進展したものの、新型コロナウイルスの影響（外出自粛 等）で研究協力者との連携にやや遅れが生じた影響により、研究結果を論文としてまとめることが2022年度に持ち越すこととなった。
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| Strategy for Future Research Activity |
本研究課題を進めていく中で、プロセス情報を論文からの抽出することによって作成したデータセットに関する課題があきらかとなり、それを解決するための手段として電子実験ノートの独自開発という展開がみえてきた。ただし、電子実験ノートの独自開発に関しては、本研究課題の内容を超えているため別課題として進めていく。
また、本研究課題では構造情報としてX線回折パターンに注目したが、結晶構造と物性の関係性をより詳細に議論するためには、結晶構造の結合状態などを含んだ構造情報を利用することが望ましい。そこで、近年注目されている結晶グラフに焦点を当て、物性との関係性を明らかにする研究を科研費（若手研究）において継続する計画である。
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| Causes of Carryover |
本研究課題において遂行した研究内容は、2本の論文としてまとめる計画で進めていたが、予期せぬ新型コロナウイルスの影響（外出自粛 等）により、研究協力者との連携にわずかな遅れが生じてしまった。そのため、生じた次年度使用額は、2本の論文を出版するための予算として使用し、2022年度中に本研究課題の結果を精査した2本の論文としてまとめる。
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Research Products
(6 results)
