2021 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ物質界面ネットワークを計算資源とした脳神経回路型マテリアル知能の開拓
Project/Area Number |
20K22485
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
宇佐美 雄生 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 助教 (60878437)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 物理リザバー / 金属酸化物 / 電気化学演算素子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ナノ物質の持つ非線形性、自己組織性を用いてネットワークを構築し、電荷移動過程に状態の揺らぎを持ち込むことで、忌避すべきものであった揺らぎを逆に情報処理に活用する。具体的には、物質単体で現れない界面特有の電子状態や環境を用いて材料の持つ揺らぎをネットワークに印加する入力信号の増幅に活用し、リザバー演算の実装及び最適化を行うことを目的とする。 本年度では、前年度に構築したリザバー演算評価技術を利用し、光照射による状態揺らぎを活用して情報処理機能の変化をとらえることを目指した。検討試料として酸化鉄とビスマス―チタン酸化物の複合体ナノ粒子を作製し、光照射下、水中下において電流ー電圧計測を行ったところ、電流値の上昇が確認された。電気化学インピーダンス計測の結果、試料の電気的応答を表現する等価回路にワールブルグインピーダンスが出現し、電極-試料界面に電気二重層が形成されていることが明らかになった。このことにより、試料がイオン伝導を有することが示された。さらに試料に交流電圧を加え、入出力の応答の関係性を検討したところ、光照射に起因してより線形な入出力応答が現れることが明らかとなった。リザバー演算の代表的な評価手法である波形生成タスクを実施したところ、光照射により波形生成精度がわずかに減少することが明らかになった。以上の結果、光照射によって試料の電気的応答を変調させられること、またリザバーの演算機能も制御可能であることがわかった。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] In-materio reservoir computing in a sulfonated polyaniline network2021
Author(s)
Y. Usami, B. van de Ven, D. G. Mathew, T. Chen, T. Kotooka, Y. Kawashima, Y. Tanaka, Y. Otsuka, H. Ohoyama, H. Tamukoh, H. Tanaka, W. G. van der Wiel, T. Matsumoto
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Journal Title
Advanced Materials
Volume: 33
Pages: 2102688
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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