2020 Fiscal Year Research-status Report
ベイズ深層学習による機能画像・形態画像ペアにおける教師なし病変検出
Project/Area Number |
20K22492
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中尾 貴祐 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (00876089)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 深層学習 / ベイズ深層学習 / コンピュータ支援診断 / 異常検知 / PET / PET-CT |
Outline of Annual Research Achievements |
[F-18]FDG-PET/CTの胸部領域における異常集積に対して、研究計画の通りベイズ深層学習に基づく異常検知モデルを開発し、その性能を評価した。 この手法は、ベイズ深層学習、特に Kendall A and Gal Y (arXiv:1703.04977 [cs.CV]) らの提案手法を元にして、「CT画像から得られる解剖学的情報」と、「PET画像における、各部位でのFDGの正常な集積の程度およびそのばらつき」との対応を正常症例から学習し、それに基づいて、正常の集積の程度から外れた集積増加部位を異常として検出するものである。 モデルの学習および評価には、研究代表者の所属する検診施設が有する症例を使用した。学習には、検診で正常、すなわち異常集積を有さないと診断された症例のみを1,878例用いた。評価には、胸部に異常集積を有すると診断された症例37例を使用した。これには28の肺病変と、17の肺外病変 (縦隔病変など) が含まれていた。 開発したモデルは、肺病変の89.3% (25/28)、肺外病変の100% (17/17)、全体として93.3% (42/45) の病変を検出することに成功し、1症例あたりの偽陽性候補数は平均で10.9個であった。この結果をもって、研究計画調書で述べた提案手法の有用性および利点、すなわち「病変位置などの教師ラベルを用いずに、正常症例のみで学習を行うことができる」「病変の種類や部位によらない汎用的な異常検知が行える」という点が立証されたと考える。 当該内容に関して、第80回日本医学放射線学会総会において発表 (口演および電子ポスター) を行い、CyPos Bronze Medal 賞を受賞した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」のごとく、胸部PET/CTの異常検知について一定の成果をあげることができた。また、手法の評価対象を全身へと広げるべく、評価データセットを作成中である。これらはいずれも研究計画調書に記載した計画の通り進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
PET-CTの胸部領域における異常検知について、第80回日本医学放射線学会総会で発表した内容を英論文としてまとめ、学術誌に投稿する予定である。また、手法の評価対象を全身に広げるためのデータセットを並行して作成しており、これを継続する。さらに続けて、提案手法のPET-MRIやDWIBSへの応用可能性について検討するためのデータセットも作成予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍のため、学術集会への参加に伴う旅費が当初の想定より少なくなったため。また、高性能GPUを搭載するPCを購入する予定であったが、その購入時期がずれたため。次年度はこのPC購入と、当初の研究計画書に記載した学会参加費・旅費、学会誌投稿料・英文校閲費、データ保存媒体の購入を行う予定である。
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