2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of a new treatment for paralysis targeting peripheral nerves by xenotransplantation
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20K22496
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐伯 総太 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (30878327)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 異種移植 / 末梢神経 / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
神経変性疾患や脊髄損傷などの運動ニューロン疾患における不可逆的な筋委縮に対して、申請者のグループは末梢神経を治療のターゲットとして注目し、治療法の開発を進めてきた。 動物実験において神経幹細胞移植により脱神経筋を再支配し、電気刺激でコントロールする技術をすでに確立している。今後その技術を発展させ、ブタ胎児由来神経幹細胞を異種移植源として、脱神経筋の再支配を行う新たな運動麻痺の治療法の開発を目指している。 そのためにまずは、ブタ胎児由来神経幹細胞を末梢神経へ移植するための至適な採取時期を確定し、移植条件を最適化する必要がある。例えば、胎児ラットの脊髄では胎生14日目が最も神経細胞の分化が進む時期でありこの時期に神経細胞を採取し末梢神経に移植することで脱神経筋の神経再支配効果が得られることが分かっている。しかし、ブタの至適な採取時期や、末梢神経へ異種移植した場合の神経細胞の分化、神経再支配効果は分かっていない。そのため、本研究で異種移植源としてのブタ神経幹細胞の至適な採取時期を決定することを目的とする。 初年度はブタ胎児由来神経幹細胞の分離方法、細胞の調整方法を確立し、ラットの末梢神経内に移植しブタ由来の神経細胞を生着させることに成功した。今回は再生された軸索も確認できたが、神経筋接合部の再生は確認できなかった。今後はブタ胎児の採取時期などの移植条件をさらに検討し、最適化しブタ胎児由来神経幹細胞を利用した異種移植による新たな麻痺治療の開発を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ブタ胎児由来神経幹細胞を異種であるラットの末梢神経内に生着させ、軸索の再生も確認したため。
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Strategy for Future Research Activity |
胎児の採取時期などの移植条件をさらに検討し実験をすることで移植成績の向上を目指す予定。
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Causes of Carryover |
細胞移植から評価までの一連の実験の工程が多く、新型コロナウイルスの影響もあり予定よりも実験の回数が多くできなかったため。 今年度はブタ、ラットの動物を購入し細胞移植を行う予定。それに伴い培地や細胞分散液などの試薬も購入し、さらに組織学的評価のための抗体などの試薬も購入して移植後の評価を行う予定。
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