2020 Fiscal Year Research-status Report
A Study on the Evaluation Method of Physical Function using Vibration Stimulation on Human Body
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20K22501
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
本田 功輝 九州大学, 工学研究院, 助教 (70879973)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 身体機能評価 / 振動刺激 / 緊張性振動反射 / 筋肉 / 立位姿勢 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者において身体機能の低下は,日常的な運動を徐々に困難とさせ,要介護へと至る原因となる可能性があるため,重大な問題である.本研究では,機械的な振動刺激を皮膚表面から下肢筋肉へと加えることで生じる緊張性振動反射(Tonic Vibration Reflex)を用いて,下肢の各筋肉を個別に刺激可能な,立位姿勢への外乱入力装置を用いて身体機能を評価する手法を検討する.緊張性振動反射は,筋の強い収縮を伴う反射現象の一種であり,その生起までには,体性感覚(受容器)・神経系・筋骨格などの身体機能を活用する.この緊張性振動反射を立位状態のヒトの下肢において生起させることで身体の動揺が生起し,その動揺の振れ幅や周波数を計測することにより,対象となるヒトの身体機能を評価することができる可能性がある.
当該年度においては,立位状態のヒトの足裏圧力中心の軌跡や,ヒトの重心付近の加速度を計測する実験系を構築し,静止立位姿勢において足裏圧力中心と重心加速度が計測できていることを確認した.また,下肢のハムストリングを刺激可能な大型のバイブレータを作成した.腹臥位の人体に対して,下肢筋肉(ハムストリング)へ振動刺激を与え,膝関節屈曲方向の筋反射現象が生じることがわかっており,構築した実験系の上で下肢筋肉へ振動刺激を与え,筋反射を生起させることにより立位姿勢への外乱を与え,その際の足裏圧力中心と重心加速度を計測する実験を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は,立位状態の人間の足裏圧力中心と,重心加速度を計測する実験系を構築した.腹臥位の人体のハムストリングへ機械的振動刺激を与えることにより筋反射が生じることがわかっており,現在,構築した実験系の上で静止立位状態をとる人体へ機械的振動刺激を与え,その動揺の大きさを計測している.当初の目標では,本年度中に機械的振動刺激の外乱入力による姿勢動揺を計測し,圧力中心の軌跡の振れ幅と周波数や,重心加速度の大きさから,その被験者のもつ身体機能を評価する手法を提案する予定であったが,実際は実験系の構築のみにとどまっている現状である.
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Strategy for Future Research Activity |
構築した実験系において,複数の被験者に対して振動刺激による外乱を与える実験を行い,足裏圧力中心の軌跡や振れ幅・周波数などの解析により,被験者の筋反射の速さと,外乱への応答の速さ,収束のスピードなどを得る.その後,申請者らによって提案されている,外乱入力に対するヒト立位姿勢変化の応答からヒト立位安定化システムを同定する手法を用いて安定性を判別し,筋反射の速さ,外乱への応答の速さと,その被験者の安定性との関連性を検討する.
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Causes of Carryover |
コロナウィルス感染症対策のため,当該年度の一部において対面での実験を行うことが難しく,実験に必要な消耗品への出費が少なかった.また,学会などで実際に現地へ出張するための旅費が支出されなかったことにより,予定よりも支出が大幅に減少した.次年度においては,今年度の実験結果より,筋電計測システムなどの追加導入が必要であると考えられるため,本年度よりも多くの出費が見込まれる.また,オープンアクセス誌への投稿費用や,現地開催の学会への参加費用なども本年度より増加することが見込まれるため,次年度使用額はそれらの予算として充てられる予定である.
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Research Products
(1 results)