2021 Fiscal Year Research-status Report
腱板部分断裂モデルによる運動療法のリスク検討:未固定凍結遺体を用いた生体工学研究
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20K22512
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Research Institution | Sendai Seiyo Gakuin College |
Principal Investigator |
宮本 浩樹 仙台青葉学院短期大学, リハビリテーション学科, 講師(移行) (80880369)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 腱板部分損傷モデル / 未固定凍結遺体 / バイオメカニクス / 肩関節 / 棘上筋腱 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、生体に近い状態である未固定凍結遺体を用いて腱板部分断裂モデルを作成し、『腱張力』による『腱歪み』を定量化し、『部分断裂の有無』で比較することである。本研究結果から、臨床における腱板部分断裂を含む肩機能障害のリハビリテーションにおける最も有効かつ安全な治療プログラムの開発に繋がるものと考えられる。 本研究では以下4点を明らかにする。1)定量的な棘上筋腱の牽引力に対する腱板非断裂状態の棘上筋腱深層線維の伸び率を計測する。2)腱板表層断裂モデルを作成し、同様の計測を行う。3)定量的な棘上筋腱の牽引力に対する腱板非断裂状態の棘上筋腱表層線維の伸び率を計測する。4)腱板深層断裂モデルを作成し、同様の計測を行う。 令和3年度では実験手順1)2)について、残りの1体1肩のデータ計測が完了した。実験準備の段階で3体3肩に腱板損傷がみられたため計測できなかった。 令和2年度に得られたデータを基に、令和3年4月にWorld Physiotherapy Congress 2021 online(世界理学療法学会)で発表した。さらに令和3年度に追加したデータを基に第9回日本運動器理学療法学会で発表し、優秀賞を受賞した。令和4年3月には英文ジャーナルへ投稿し、現在査読中である。 実験手順3)4)については、令和3年度に4体4肩のデータを取得した。実験準備の段階で2体2肩に腱板損傷がみられたため計測できなかった。 本研究では仙台より札幌へ研究渡航が必要であるが、コロナ禍による研究渡航制限があったため、進捗状況はやや遅れている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究では仙台から札幌への研究渡航が必要であるが、コロナ禍での渡航により予定していた渡航回数よりも制限がかかってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
実験手順3)4)について、残りの6体6肩を札幌医科大学の未固定凍結遺体よりデータ収集し、合計10体10肩のデータ収集完了を目指す。 データ収集状況によってはORS 2023(アメリカ整形外科学会基礎学会)への演題登録や、WCPT 2023(世界理学療法学会)への演題登録を目指す。 さらに英文ジャーナルへの投稿を予定している。
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Causes of Carryover |
コロナ禍により研究渡航制限があり、実験手順3)4)が遅延している。研究渡航費用と英文校正費用など、翌年度分へ計画している。
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Research Products
(2 results)