2020 Fiscal Year Research-status Report
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20K22524
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
久保 智弘 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (20871362)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 高分子合成 / 高分子反応・分解 / 導電性高分子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、穏やかな条件下で分解が起こる共役系高分子を合成しその諸物性を精査することで、高分子構造と分解性の関係を明らかにすることを目的とする。本目的達成のため、分解性を示す官能基をモノマー構造に取り込み、その精密重合法を確立することで、構造が明確で分解機能を有する共役系高分子の合成を目指す。具体的には、分解性モノマーの触媒移動型縮合重合を検討し構造が制御された共役系高分子に分解性を付与する手法の開発を試みる。 本年度は、分解性を示す新規モノマー合成方法の検討から開始し、種々の共役型モノマーの精密重合を行った。モノマー構造が重合挙動に及ぼす影響を考察し、分子量や分子量分布が制御され、末端構造が明確な高分子の合成を行った。高分子の熱物性の測定から、使用時の安定性について考察した。さらに、構造の異なる分解性モノマーと非分解性モノマーのランダム共重合を行うことで分解可能な官能基を任意の割合で高分子中に導入することを検討した。それらと並行して、穏やかな条件下での高分子反応についても検討し、反応前後での高分子構造と諸物性を評価した。今後は、より簡便な新規モノマー合成手法の検討を行い、高分子精密合成とその分解性の体系的な評価、さらに高分子諸物性の多面的な解析を行う。これらで得られる知見を発展させ、高分子構造と諸機能の相関解明を進めることで、分解機能をもつ共役系高分子の設計指針構築への展開が見込まれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の影響で出校に制限がかかり、申請時の予定より進捗はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
簡便なモノマーの合成を目指すだけでなく、効率的で体系的な高分子合成と物性評価を行う。
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Causes of Carryover |
当初研究の進捗にあわせて購入を予定していた試薬等の購入を見送ったためであり、使途を変更せず次年度に使用する予定である。
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