2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of single-atom supported hydride catalyst using hydrogen anion in the lattice
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20K22550
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮崎 雅義 東京工業大学, 元素戦略研究センター, 助教 (10883415)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | ヒドリド化合物 / 単原子触媒 / 光析出法 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨格内ヒドリドを利用したヒドリド化合物上への金属担持を達成するため,はじめにヒドリド化合物の合成を行った.本研究では水素化アルカリ土類化合物と酸化物を水素気流下で加熱することにより,一段階でのヒドリド化合物合成に成功した.これらの化合物に対して,骨格内ヒドリドイオンを光照射により活性化し,金属前駆体の還元担持を行った.ICPにより,調製した触媒は金属前駆体の仕込み量と実際の担持量がほぼ一致していることを明らかにした.また,XANESの結果から,担持金属種は0価に還元されていることが示唆された.これらの結果から,光照射によって金属前駆体が0価に還元され,ヒドリド化合物上に担持されてたことが明らかになった. 調製した触媒を用いて液相系水素化反応としてフェニルアセチレン水素化を行った.フェニルアセチレン水素化において,本触媒は通常の含浸法によって調製した触媒と比較して高い活性,および高スチレン選択率を示した.この触媒は先行研究で報告されているPd/TiO2などの触媒と比較して,高いPd量あたりの触媒活性(TOF)を示した.また,この触媒は再利用性実験においても活性および選択性が低下しなかったことから,高い耐久性・再利用性を有することを明らかにした.このような活性向上の要因は骨格内ヒドリドイオンの活性化による金属の高分散担持に起因すると考えられる.この考察は光担持した触媒を高温下で水素処理し,分散度を低下させた触媒ではフェニルアセチレン水素化活性が低下したことによって確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究はおおむね順調に進展している.本研究の主目的はヒドリド化合物上への単原子金属担持である.現段階では骨格内ヒドリドを利用した金属の還元担持に成功している.しかし,調製した触媒は通常の含浸法と比較して高分散担持されている一方,単原子触媒ほど高分散担持されていない.これは金属前駆体の選定および実験操作の最適化によって改善できると考えている.一方で,光析出法によって調製した触媒は分散度が単原子触媒よりも低いにも関わらず,従来の触媒よりも高い触媒特性を示した.この結果はヒドリド化合物上に単原子金属担持できれば,さらに優れた触媒特性が得られることを示唆している.
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Strategy for Future Research Activity |
単原子触媒の開発を目的とし,ヒドリド化合物上への金属担持手法として,金属前駆体,反応溶媒,照射波長の最適化を行う.さらに調製した触媒を他の触媒反応系へ適用し,触媒合成法が触媒特性に与える影響について検討する.
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルスにより,学会および放射光測定が中止,あるいはオンライン開催になり,旅費および人件費に当初の計画通りに使用ができなかった.また,物品費については来年度以降に使用予定である.
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