2020 Fiscal Year Research-status Report
Effects of biochar and organic amendment on soil C dynamics in sub-Saharan Africa
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20K22597
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
濱本 亨 鳥取大学, 乾燥地研究センター, 特命助教 (80877100)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 土壌微生物 / 土壌炭素 / サブサハラアフリカ / 炭化物 |
Outline of Annual Research Achievements |
農業生産の維持・向上に重要な土壌炭素の枯渇がサブサハラアフリカ地域などで発生しており、その解決が求められている。そのため、有機物を供給し、有機物由来炭素をできるだけ多く土壌に留めることが必要である。しかし、申請者のこれまでの研究から、微生物機能の不安定性により、単なる有機物投入では、本来期待されるべき炭素蓄積効果が極めて弱い可能性があることがわかった。そこで本研究は、炭化物による微生物機能の安定化に着目し、同地域における、効率の良い炭素蓄積の実現を目指すことを目的としている。 初年度である本年度は、マケレレ大学所属の共同研究者の協力のもと、ウガンダの異なる炭素量の土壌を日本へ輸入し、それらの土壌を用いて、炭化物投入による培養試験を行う予定であった。しかし、コロナウイルスなどの影響により、土壌輸入を本年度中に行うことが困難となった。そのため、急遽ザンビアからの土壌輸入の計画を作成し、ザンビア大学の研究者の協力を得た。現地とのリモートで話し合いを行い、その後、土壌サンプリングを遂行してもらった。具体的にはザンビア・ルサカ地域周辺の二つの異なる炭素量、および異なる土性の土壌をサンプリングした。そして、それらの二つの土壌を日本へ輸入することができた(植物防疫許可取得済)。土壌輸入後、土壌物理化学性に関する基礎情報(土性や全炭素など)を収集した。また、炭化物に使用する作物残さを検討し、現地でも生産されているマメ科作物の殻を使用することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、コロナウイルスなどの影響により、研究開始当初から予期していないことが断続的に発生した。しかし、同じサブサハラアフリカ地域における、劣化土壌のサンプリング・輸入を遂行し、次年度の培養試験の遂行に関する準備をある程度整えることができている。また今後の研究活動の見通しの不透明さから、類似の土壌理化学性を有する国内土壌を用いて、ポット試験を代替案的に実施している。以上のことから(2)おおむね順調に進展している、といえる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に実施し採取した土壌サンプルを用いた培養試験を開始する。培養試験終了後、16S rRNA遺伝子を対象とした細菌群集解析などを行い、ザンビア土壌における炭化物投入に伴う、温室効果ガス放出量、土壌無機態養分の動態、土壌微生物群の変化、などを調べる予定である。また、代替的に実施している試験も必要に応じて解析を進める。加えて、研究成果の共有や論文執筆活動の方向性を議論するために、相手先研究機関の共同研究者とリモートで議論を行う予定である。
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Causes of Carryover |
研究予算の減額に伴う研究計画の整理、本年度の研究環境の状況変化に伴う研究計画の再修正を行った。この結果、次年度に実施予定の培養試験を重視するとともに、得られた試験結果の分析のための予算確保を決定した。これらにかかる費用のために、今年度配分額を次年度使用額として保存し有効に活用することを計画している。
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Research Products
(1 results)