2021 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of biochar and organic amendment on soil C dynamics in sub-Saharan Africa
Project/Area Number |
20K22597
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
濱本 亨 東北大学, 農学研究科, 助教 (80877100)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 土壌微生物 / 土壌炭素 / サブサハラアフリカ / 炭化物 |
Outline of Annual Research Achievements |
有機物施与に伴う炭素投入が土壌生態系に及ぼす影響を明らかにしていくことは、農業生産の持続的な維持・向上や気候変動対応策において重要である。本研究では、炭素投入による炭素・窒素動態の影響や、元々の土壌炭素量の異なる土壌微生物群集の違いについて着目した。最終年度であった本年度は、①炭素量が異なるザンビア産土壌(0-2%)の微生物群集構造を明らかにした。また、②炭素量の少ない土壌(1%以下)でポット栽培試験を実施し、炭素源の投入が、温室効果ガスの放出など、物質循環に及ぼす影響を調べた。 具体的には、元々の炭素量の違いは、微生物の多様性やそれらが持つ機能において、規定要因の一部であることがわかった。特に、炭素投入が微生物群集に対する影響は、それぞれの土壌が持つ時間的変動性(安定性)に大きく依存していることがわかった。特に、炭素量が極めて低い土壌では、微生物機能に対する冗長性が低い可能性があることがわかった。今後、炭素循環に関わる特定の遺伝子領域に対する土壌炭素量の影響を追う必要があると考える。 低炭素土壌を用いたポット栽培試験では、炭素投入によって温室効果ガス放出量、特に亜酸化窒素放出量が増大している傾向があった。今回用いた土壌は、炭素量・微生物バイオマス量が極めて低いため、窒素などの無機化速度が大きいとは考えにくい。すなわち、元々の土壌炭素量が低い土壌では、炭素投入によって無機化速度やそれらに関わる微生物機能が改変された可能性が考えられる。今後、窒素循環に関わる遺伝子など、さらなる詳細を追う必要がある。 これまでに得られた成果の一部に関しては、日本土壌肥料学会などで発表している。また、学術論文として投稿中、あるいは投稿準備中である。今後の解析結果も含め成果公表の準備を進めていく。
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Research Products
(3 results)