2021 Fiscal Year Annual Research Report
水-土-根成長練成有限要素法による農業水利施設の植生-地盤相互作用解析
| Project/Area Number |
20K22599
|
|---|
| Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
|---|
Principal Investigator |
友部 遼 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 助教 (90880005)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
|
| Keywords | 根-土接触面 / 有限要素法 / 数値計算 / 農業水理施設 |
|---|
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は，植物根が土構造物中に侵入した際に，それ以前の場合と比較して根-土混合物のせん断強度が以下に増減するのかを探求することを目的として掲げており，2020年度，2021年度では，根-土接触シミュレータの高度化，および実問題への適用について取り組み，播種直後の植物根に生じる成長応力を推定することに成功するとともに，従前に開発してきた根-土接触シミュレータに，新たに膨圧に伴う変形を水-土-成長連成モデルとして実装するに至っている．本年では，更に実問題への適用性を向上させるため，3次元根-土接触シミュレーションおよび3次元根成長シミュレーションの実装を進めた．その結果として，マクロな数理モデルとしては複数の節からなる複雑な根形状を表現する新たなoverset mesh法を開発し，ミクロな数理モデルとしては，膨圧に駆動される植物組織の成長を再現する数理モデルを開発した．それぞれの内容を3本の論文として取りまとめ，国際学術誌へ投稿中である．また，以上に加えて，根-土接触モデルに係る現在までの研究成果に対して，公益財団法人地盤工学会より，2022年6月に学会賞（研究奨励賞）を授与された．また，上記のoverset mesh法は，植物根の成長シミュレーションに対して開発されたが，農業用水路，頭首工，さらには高架橋の橋脚部等の複合材料からなる土木構造物に対して，低コストかつ高精度な数値解析手法としての利用が期待される．
|
