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2020 Fiscal Year Research-status Report

林地残材を用いたバイオマス発電はどのくらいGHG排出量削減に貢献できるか?

Research Project

Project/Area Number 20K22600
Research InstitutionHokkaido Research Organization

Principal Investigator

前川 洋平  地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 森林研究本部 林産試験場, 研究職員 (90837907)

Project Period (FY) 2020-09-11 – 2022-03-31
Keywords木質バイオマスの発電利用 / 林地残材 / GHG排出量 / LCA評価 / 地球温暖化防止
Outline of Annual Research Achievements

2020年度(1年目)は、北海道内の事業者を対象とした複数のインベントリデータの収集と間伐材・主伐材と林地残材による環境負荷の案分方法(LCAにおける配分問題)を検討した。具体的な取り組み内容と結果は以下のとおりである。
第1に、本研究におけるGHGとしての環境負荷項目とシステム境界、GHG排出量の算定方法について、先行研究等を参考にそれぞれ設定した。また、本研究における林地残材は、森林の伐採に伴って発生する枝条、追い上げ材等の端材、未利用間伐材など通常では利用されない木質バイオマス(具体例:末木枝条、被害木、追い上げ材、未利用間伐材)、と定義した。
第2に、北海道内を分析対象とする林地残材の収集データは、A素材生産事業体による6事例を収集した。また、2017-2018年度に北海道水産林務部が実施した林地未利用材集荷システム実証事業による実績値を活用することとした。
第3に、得られたデータから①搬出、チップ化、輸送の各段階を含めた燃料消費量の算出、②チップ単位重量当たり燃料消費量の配分に関する検討、を行った。その結果、①伐採区から発電所までのチップ単位重量当たり燃料消費量は材積按分の場合が平均値11.91L/t(中央値11.77L/t)、価値按分の場合が平均値10.29L/t(中央値10.45L/t)となった。燃料材の収集のみを目的として算出した先行研究と比べ、今回収集したデータは燃料消費量が少ないことが明らかとなった。②燃料消費量の配分については、材積按分の方が高い値を示すが、価値按分と数値に大きな差が生じなかった。
第4に、ボイラー形式と発電効率を複数設定し、これらを組み合わせた複数のシナリオに基づいてGHG排出量を算定した。その結果、商業電力(北海道電力・2015年度)をほとんどのシナリオで下回る結果となった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究実施計画に記載した2020年度(1年目)の取り組み項目について、GHG排出量算定のための各種条件が設定、北海道内の事例を対象としたインベントリデータの収集、GHG排出量の算定、いずれも到達することができた。

Strategy for Future Research Activity

2021年度(2年目)は、全国規模の実地調査を行い、収集データ数の増加と分析精度の向上を図ることとする。
実地調査対象については、行政機関や業界団体等との意見交換や情報収集を参考に選定する。選定した実地調査対象について、それぞれ、作業フローの整理や収集データ等の取得を行い、必要情報を収集・整理したのち、GHG排出量を算定する。引き続き、実地調査により算出した林地残材を電源とする電力のGHG排出量と商業電力とを比較するほか、作業バリエーション別のGHG排出量等についても分析を試みる。
これら2か年の取り組み結果を踏まえ、林地残材による発電利用の優位性について考察する。

Causes of Carryover

次年度使用額の発生について、①現地調査に向けた事前情報の収集とGHG排出量算定のための理論式および原単位の整理を丁寧に行ったこと、②北海道内の収集データについて、過去に実施された調査データを二次利用することにより旅費が削減できたこと、が挙げられる。そこで、2021年度(2年目)は、実施する全国規模の実地調査を充実させ、データの収集・蓄積に努める。

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Published: 2021-12-27  

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