2020 Fiscal Year Research-status Report
Study on irrigation development potential which reflect divers water use in Africa
Project/Area Number |
20K22601
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Research Institution | Japan International Research Center for Agricultural Sciences |
Principal Investigator |
岡 直子 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 農村開発領域, 主任研究員 (90879933)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | ため池 / 水利用 / 灌漑 / 家庭用水 / アフリカ / 農村 |
Outline of Annual Research Achievements |
アフリカのサバナ気候帯では、水資源が希少かつ季節的に偏在しており、進行する人口増加を支えるためには灌漑による土地生産性の向上が有効である。ため池はその一つの手段であるが、一方でため池の水は、家庭用水、家畜飼養など多様な用途に利用されていることから、ため池を利用した灌漑計画立案のためには、ため池の貯水量および灌漑外水需要の推計が必要である。本研究はガーナ北部を対象に、ため池貯水量推計モデル構築および灌漑外水需要の推計を行い、両者からため池の灌漑ポテンシャルを明らかにするものである。2020年度の研究実績は以下の通りである。 1)小流域のため池貯水量推計モデル構築のため、ガーナ北部の基礎情報(標高、行政界、集落、水域等の地図情報および気象データ)を収集、整理した。モデルの検証のため、ため池のある3流域を選定し水文観測を行うことを計画していたが、ガーナへの出張が困難であったことから2020年度の観測開始は中止し、代替として現地の研究協力者を通じた情報収集等を進めた。具体的には、ガーナ北部で灌漑を水利用用途に含み建設されたため池の情報収集と、ため池における水文観測の可能性を探るための研究協力者による現地確認に向けた打ち合わせを行った。 2)生活用水、家畜飼養、小規模製造活動向けなどの、灌漑外水需要の推計式の開発に向け、文献調査を行った。その結果、特に生活用水に関する既存研究が少なく、ガーナ北部の農村部の家庭用水を直接観測した既存研究の結果において、家庭内の調理担当者間の調理分担や、水利用の具体的な方法の把握が不十分であること、家庭から取水源までの距離が水利用に影響を与えていることが考察されていた。これを踏まえ、農村部の家庭用水量を推計するために必要となる、アンケート調査の項目設定等の準備を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ガーナでの現地調査を行い、水文観測を開始する計画であったが、コロナウイルス感染症への対応として出張を取りやめ、現地の研究協力者に情報収集を依頼している。現地での観測を行うためには、観測機器の設置や観測管理体制の構築が必要となるが、どこまで研究協力者の協力を得られるか、どのようにすれば現地の状況を確実に把握できるか、打ち合わせを進めながら検討している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
海外出張の見込みが立たないことから、引き続き現地の研究協力者を通じた情報収集を行うとともに、研究期間の一年延長を視野に入れて水文観測実施の可能性を探る。農村部の家庭用水量を推計するため、研究協力者を通じてアンケート調査を行う。国内で入手可能なデータを用いて、貯水量推計モデルの構築および灌漑ポテンシャルの推計を行う。
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Causes of Carryover |
ガーナでの水文観測のための費用を計上していたが、現地出張の見込みが立たず、観測機器設置や観測管理体制の構築ができなかった。現在、現地の研究協力者を通じた現地情報収集を検討しており、研究協力者の旅費・交通費やデータ収集に係る経費、通信費等に使用する計画である。
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