2023 Fiscal Year Annual Research Report
Study on irrigation development potential which reflect divers water use in Africa
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20K22601
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Research Institution | Japan International Research Center for Agricultural Sciences |
Principal Investigator |
岡 直子 国立研究開発法人国際農林水産業研究センター, 農村開発領域, 主任研究員 (90879933)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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Keywords | ため池 / 水利用 / 灌漑 / 家庭用水 / アフリカ / 農村 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)ため池10基を対象に、地形条件から得られる灌漑受益地の面積と、貯水容量と一般的な作物の要求水量から得られる灌漑可能面積を比較した。その結果、地形条件的な灌漑受益地面積に対する灌漑可能面積の割合は、約10%から110%(平均は50%)と推計された。地形条件から灌漑受益地になると考えられても、実際に灌漑用水を確保できるため池は一部分にとどまり、灌漑計画立案において留意が必要であることを明らかにした。 2)4基のため池の地形条件から得られる灌漑受益地を対象に、土壌データ、衛星画像、地形図など既存のデータベースと採取土壌の化学性・物理性の分析結果を、複数の農業専門家が示す評価項目の相対的な重要度に従い点数化し、灌漑適性を5段階で評価した。その結果、灌漑適性があると評価されたのは受益地の約55%から80%であった。評価結果を地図化した灌漑適性マップは、農業者がより適性の高い土地を灌漑地として選択することを支援できる。 3)水位センサーロガー付き容器を用いて計測した世帯内の水利用量データと、聞き取りにより把握した世帯の水利用状況データを用いて、世帯の水利用の特徴と季節変動を分析した。その結果、農村世帯では飲用、調理用、衛生維持用、家庭内の生産活動に水を使っていること、家庭内で飼育動物に水を与える例があること、家庭内生産活動の有無や家庭で水を与えている家畜の数は家庭の総水量に強く影響しないことがわかった。また、月降水量が0mmの期間と100mm以上の期間の水利用量を比較から、前者期間において後者期間の倍以上の利用量があることが示された。得られた生活用水量は、ため池を利用した灌漑計画立案の際に、灌漑用水以外に維持すべき生活用水の最低限量の指針として利用できる。
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