2021 Fiscal Year Annual Research Report
開水路の伸縮挙動を再現した水中疲労試験による目地補修材の接着耐久性の解明
Project/Area Number |
20K22603
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
森 充広 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究部門, グループ長 (70414456)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | コンクリート開水路 / 目地 / シーリング材 / 接着耐久性 / 疲労試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
コンクリート開水路の目地補修に利用されるシーリング材を対象として,令和2年度に試作した治具を活用した水中疲労試験法による評価を行った.試験に供した材料は,主成分が異なる1液型のもの3材料とした.これらについて,アルミ板やモルタルを被着体として①気中での疲労試験,②水中での疲労試験,を実施した.また,2材料については,上記①,②に加えて,既往の水中接着性評価試験である③28日間水に浸漬した後の気中での疲労試験,を実施した. 試験条件については目地幅12mmのシーリング材の伸縮量を±3.6mm(±30%)と+6.0mm(+25%,引張のみ)に変更して実施したが,劣化を早める効果は少なかったことや,圧縮時の治具の接触に細心の注意を払わなければならないなどの制約があり,最終的には,目地幅12mmのシーリング材を±3mm(±25%),0.2Hzで伸縮させることを基本条件に設定した. 伸縮によって圧縮時の最大荷重,引張時の最大荷重を所定の回数に記録し,横軸を繰り返し回数(対数軸),縦軸を1回目の荷重に対する保持率として整理した.その結果,主成分の相違によって差があるものの,いずれの材料においても,保持率が最も低下したのは②水中での疲労試験であった.さらに,②では,③に比べると少ない繰り返し回数で保持率が低下することが明らかとなり,試験時間の短縮化が見込める結果となった.ただし,治具の構造に起因した計測のばらつきも課題としてあげられた. 水中疲労試験において保持率が早期に低下する要因として,伸縮挙動時の水分移動が関係しているのではないかと推測できた.今後,治具を改良するとともに,疲労による接着力の低下を定量的に評価することにより,水中接着性低下の要因を追求する予定である.
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Research Products
(1 results)