2020 Fiscal Year Research-status Report
累積熱輸送モデルの新規構築による農地群の局所的な高温・低温の評価
Project/Area Number |
20K22605
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
木村 建介 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農業環境変動研究センター, 研究員 (10885502)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 最低気温 / 最高気温 / 累積流量 / 局所気象 / 微気象 / 熱輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
農地における局所的な高温・低温を評価可能なモデル(累積熱輸送モデル)を構築するために,本年度は以下の項目を実施した. ・累積熱輸送モデルの構築および妥当性の検証に必要な気温データの取得のために,丘陵地の農地(6km×6kmの範囲)において新型の気温センサ(Maruyama et al., 2020,Agricultural and Forest Meteorology)を設置し気温計測を行った(計15測定点).利用したセンサは商用電源を必要とせず,正確な気温測定が可能なため,電源の確保が難しい複雑地形の農地においても気温の多点計測が容易である.計測の結果,測定点間で最大7℃の気温差が観測された.現行のメッシュ気象データ(1kmグリッド)ではこの温度差を表現することは不可能であるため,それを評価可能とする本研究の意義は大きいと考えられる. ・累積熱輸送モデルの構築においては,数値標高モデルを用いた累積流量を変数としたモデルを構築した.現在は,モデルの最適化と妥当性の検証を行っているところである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・累積熱輸送モデルの構築と妥当性の検証に必要な気温データを,十分に取得できたため. ・当初の予定通り,累積流量を用いることにより,農地の局所的な温度差をある程度評価可能であると考えられるため.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,構築した熱輸送モデルの最適化(パラメータ決定やモデルの形の改良等)を行う予定である. また,今年度とは異なる農地においても気温の多点計測を行い,複数地点におけるモデルの妥当性を検証する予定である.
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Causes of Carryover |
今年度は新型コロナウイルスの影響により,現地観測や学会発表に赴く機会が減少したため,次年度使用額が生じた.次年度使用額は複数地点における観測に掛かる旅費および,気温センサの追加購入に充てる予定である.
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