2021 Fiscal Year Annual Research Report
一回膜貫通型蛋白質プレキシンの動的な構造変化による活性化機構の解明
Project/Area Number |
20K22625
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鈴木 博視 東京医科歯科大学, 高等研究院, プロジェクト准教授 (50635472)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | シグナル伝達 / 一回膜貫通型蛋白質 / GTPase / クライオ電子顕微鏡 / 単粒子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、一回膜貫通タンパク質型受容体であるプレキシンおよびそのリガンドであるセマフォリンタンパク質との複合体の構造解析をおこない、細胞膜を超えたシグナル伝達における受容体の連続的・動的な構造変化に関する新たな知見を得る事を目的とした。異なる種から複数種類の全長プレキシン遺伝子をクローニングし、その中から安定に発現するものを蛍光ゲル濾過クロマトグラフィー法によりスクリーニングをおこなった。それにより選別されたヒトプレキシンタンパク質を哺乳類培養細胞系にて大量発現・精製をおこない、単分散性のよい試料を得た。さらに、リガンドであるセマフォリンタンパク質の細胞外ドメインを分泌発現系から精製し、複合体を形成させてさらにゲル濾過クロマトグラフィーにより精製したものをクライオ電子顕微鏡により複合体タンパク質粒子像を撮影した。このデータの収集と画像解析の結果をフィードバックさせて精製条件を再検討し、脂質ナノディスクに再構成した複合体試料から得られたデータにおいて、リガンド結合型プレキシン二量体に特徴的な2次元平均化像が得られた。三次元再構成をおこなうことで細胞外領域のみの電顕マップが得られたが、膜貫通領域や細胞内ドメインの密度は平均化されており可視化する事ができていない。今後、試料の条件の至適化を進めるとともに大量のデータを収集して分解能の向上を目指し、脂質膜領域を挟んでの全長での活性型プレキシン-セマフォリン複合体の詳細構造を明らかにしていく。
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