2020 Fiscal Year Research-status Report
インスリンによる抗菌ペプチド産生・分泌を介した新たな腸内細菌制御機構の解明
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20K22646
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
竹見 祥大 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (70871440)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 抗菌ペプチド及び蛋白質 / インスリン / 小腸 / パネート細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
小腸陰窩に位置するパネート細胞から分泌される抗菌ペプチド及び蛋白質(Antimicrobial peptides and proteins: AMPs)は、病原菌の排除と腸内細菌の構成を制御する。AMPsの分泌異常は腸内共生細菌叢の構成異常(Dysbiosis)につながり、肥満や炎症性腸疾患などの疾病を引き起こす。そのため、AMPsの産生制御機構を解明することは重要であるが、微生物を認識する受容体である『パターン認識受容体』の関連分子以外にAMPsの産生を制御する因子はこれまでほとんど不明である。本研究は、インスリンがAMPs産生・分泌を促進し、Dysbiosisを抑制するかを検討することを目的とした。 マウス小腸のprimary cultureを用いた実験では、インスリンの添加によっていくつかのAMPsのmRNA発現が上昇する傾向を確認した。 また食事によってインスリンの血中濃度は上昇することが知られているが、それに伴いマウス小腸の複数のAMPsのmRNA上昇が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウスの小腸のprimary cultureを用いた実験ができているのとともに、マウスの小腸オルガノイドを用いた実験も現在実施しており細胞レベルでAMPsに対するインスリンの作用を検討できている。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス個体を用いてインスリンやインスリン受容体アンタゴニストを処理する実験に時間がかかっているため、今後はin vivoの実験を中心に実施していく。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの蔓延と緊急事態宣言によって、学生の入構および実験の禁止期間があり実験が当初の計画通りに進まなかったため昨年度の使用額が減少した。今年度は昨年度計画していた実験を併せて実行するため、今年度中に昨年度分も使用する予定である。
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