2021 Fiscal Year Annual Research Report
Generation of a limb-like organoid by taking advantage of direct reprogramming and 3D-culture techniques
Project/Area Number |
20K22658
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
熱田 勇士 九州大学, 理学研究院, 助教 (80874685)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 四肢前駆細胞 / ダイレクトリプログラミング / 3次元培養 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はマウス四肢前駆細胞リプログラミング法の検証について重点的に研究を行なった。より具体的には、in vivoでのマウス四肢前駆細胞様リプログラム細胞の生体内での分化能を精査するため、ニワトリ胚(E3.5)肢芽にリプログラム細胞を移植した。同等のステージのマウス胚(E9.5)では細胞移植操作が極めて困難であるため、移植操作が簡便なトリ胚を使用した理由である。ホスト胚を5日間培養した後、ホスト胚四肢から移植細胞を回収し、単一細胞RNA-Seq(scRNA-Seq)により移植細胞の遺伝子発現プロファイルを解析した。ポジティブコントロールとして移植された内在性のマウス四肢前駆細胞は、マウス胚内と同様に、軟骨、靭帯など四肢前駆細胞がつくるべき組織を形成した。リプログラム細胞も、マウス四肢前駆細胞ほど効率的ではないものの、軟骨・骨・靭帯の各マーカー遺伝子を発現する細胞へと分化することがscRNA-Seqにより明らかになった。この結果により、生体内でリプログラム細胞が四肢前駆細胞と同等の分化能を発揮することが強く示唆された。これらのデータを含んだ論文は既に国際学術誌へと投稿済みであるが、アクセプトには至っていない(Atsuta et al., submitted; bioRxiv, 2021)。 なお四肢特異的レポーターTGニワトリ(Prx1-ZsGreen)作製に必要となる始原生殖細胞は準備できたものの、ニワトリ系統を維持するための鶏舎を確保できずTG作出には至らなかった。 また、オルガノイド形成に必要となるマイクロ流路系については、プロトタイプは作製できたものの、四肢前駆細胞を用いての条件検討は実施できていない。しかし、本プロジェクトの一端として、ヒトiPS細胞から四肢前駆細胞様細胞を産出・維持できる培養系を確立したため、ヒト肢芽オルガノイド形成に向けた下地は整ってきている。
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