2021 Fiscal Year Annual Research Report
Study on anti-AIDS drugs using fungal co-culture extracts
Project/Area Number |
20K22710
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
Eldesoky Ahmed 熊本大学, 大学院生命科学研究部(薬), 特別研究員 (10874521)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 真菌共培養 / エイズ治療薬 / 探索 |
Outline of Annual Research Achievements |
エイズは、抗HIV薬を服用することにより、感染しても発症を抑えることが可能になった。しかし、HIVはヒトの細胞内に潜伏感染するため、抗HIV薬や免疫細胞により根治することができない。そこで、エイズを根治する戦略として、潜伏感染しているHIVに刺激(ショック)を与えてHIV産生を活性化させ、抗HIV薬あるいは自己免疫によりエイズを根治する(キル)「ショック&キル法」が期待されている。しかし、これまでに臨床試験に至った潜伏感染活性化物質(latency-reversing agent: LRA)は報告されていない。 そこで、研究室で保有する天然資源エキスを用いてスクリーニングしたところ、真菌共培養エキスはHIV産生活性化に対して高いヒット率を示し、かつ哺乳類細胞に対する毒性は弱かった。そこで、真菌共培養エキスから新規HIV産生活性化物質を探索した。 HIV産生の活性化は、HIV DNAの末端の長い反復配列(long terminal repeat, LTR:LTRの活性化によりHIV DNAの転写が促進される)の転写促進作用の活性化をレポーターアッセイ(luc遺伝子産物ルシフェラーゼによるルシフェリン発光)で検出した。スクリーニングにより、宮崎県日向市の土壌から単離した2種類の真菌を寒天培地上で共培養したエキスにLTR活性が認められたので、化合物の探索のため再培養を行ったが、目的の化合物の産生量が非常に低かったため単離には至らなかった。 そこで、強いLTR活性を示すネパールの植物から活性物質を精製し、0.14 nMのIC50値を示すgnidimacrinとその誘導体を得た。それら化合物の中には、哺乳類の細胞に対して毒性が低く、かつLTR活性を示す化合物が認められたので、学会発表するとともに論文を投稿した。さらに、エイズ患者の血液を用いて評価を行ったところ既存のLTR活性物質を上回る結果を示したので、PCT出願するとともに実用化を目指し引き続き研究を行っている。
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[Presentation] Daphnane and Tigliane Diterpenes of Stellera chamaejasme and Wikstroemia retusa as HIV Latency-Reversing Agents: Isolation, Semisynthetic Derivatization and SAR Study2022
Author(s)
Ahmed H. H. El-Desoky, Keisuke Eguchi, Naoki Kishimoto, Toshifumi Asano, Hikaru Kato, Yuki Hitora, Syunsuke Kotani, Teruya Nakamura, Soken Tsuchiya, Teppei Kawahara, Masato Watanabe, Mikiyo Wada, Makoto Nakajima, Takashi Watanabe, Shogo Misumi, Sachiko Tsukamoto
Organizer
日本薬学会第142年会
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