2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of degrader targeting proteins regulated by ubiquitination
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20K22711
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
横尾 英知 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80881424)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | タンパク質分解剤 / キメラ分子 / PROTAC / プロテアソーム / ユビキチン |
Outline of Annual Research Achievements |
新たな創薬手法として期待されているタンパク質分解誘導剤は、標的タンパク質のユビキチン化、プロテアソームによる分解を導く。しかしユビキチン化により機能が変化するタンパク質や分解を引き起こせない生体内の機能不全による副作用が課題となりうる。そこで本研究では、プロテアソームを標的タンパク質に直接近づけてユビキチンに依存しない分解誘導剤の開発を試みた。本年度は、プロテアソームリガンドと標的タンパク質リガンドとの組み合わせを変換したキメラ化合物を検討することで分解誘導剤の開発を目指す。まず、標的タンパク質リガンドのモデルとしてプロスタグランジンD合成酵素(H-PGDS)に着目し、分解誘導剤の開発を行った。これまで得られた分解誘導剤を基に分子モデリングを用いてリンカー構造の最適化を行ったところ、高活性な分解誘導剤(DC50 = 17.3 pM)の開発に成功し、分解誘導剤の開発に有用となる標的タンパク質リガンドを明らかとした。得られた標的タンパク質リガンドを基に、複数種のプロテアソームリガンドを結合したキメラ化合物を合成し、その分解活性を評価した。その結果、いくつかの化合物で標的タンパク質の減少は見られたものの、濃度依存性は観測されなかった。そこで標的タンパク質を変更し、さらなる検討を行なった。核内受容体を標的としたキメラ化合物を評価した。プロテアソームリガンドとのキメラ化合物により観測された標的タンパク質の減少は、ユビキチン活性化酵素阻害剤などを用いた評価等によりプロテアソームによる分解であるもののユビキチンを介することを明らかとした。以上のように、本研究ではプロテアソームリガンドと標的タンパク質リガンドとのキメラ化合物を種々合成し、ユビキチンを介するものの標的タンパク質を減少させる化合物を得ることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、モデル標的タンパク質となるプロスタグランジンD合成酵素(H-PGDS)を高効率で分解できる分解誘導剤を見いだし、分解誘導剤開発に有用な標的タンパク質リガンドを取得した。さらに、プロテアソームリガンドと標的タンパク質リガンドとの組み合わせを変換したキメラ化合物の種々合成した。特に、核内受容体を標的としたキメラ化合物を合成し、その分解活性を評価した結果、標的の減少が観測されたため、ユビキチン活性化酵素阻害剤を用いた評価等により分解機構を検討したところ、ユビキチンを介したプロテアソームによる分解であることを明らかとした。こうしたプロテアソームリガンドと標的タンパク質リガンドのキメラ化合物はユビキチンを介さない機構ではないものの、標的タンパク質を減少する興味深い機能をもつことを明らかとした。
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Strategy for Future Research Activity |
小分子やペプチドなど様々なモダリティのプロテアソームリガンドを用いてキメラ分子を合成・評価し、分解誘導剤の開発を試みることに加えて、タグを用いてより人工的な系を基にした分解機構の検討を試みる。
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Causes of Carryover |
分解機構解析や化合物の精査ため、試薬の購入費用を次年度に繰り越し、次年度の使用計画とする。
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Research Products
(10 results)