2020 Fiscal Year Research-status Report
Targeting protein-protein interactions to screen for DNMT1 function modulators.
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20K22729
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
喜多 絢海 摂南大学, 薬学部, 助教 (40881363)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | タンパク質間相互作用 / DNAメチル化 / がん |
Outline of Annual Research Achievements |
DNAメチル化修飾異常はがんの進行に寄与する。DNAメチル化酵素DNMT1の阻害剤が抗がん剤として臨床応用されているものの、選択性が低い等の問題点から、新規作用機序のDNAメチル化調節薬の開発が望まれている。本研究では、DNMT1のタンパク質間相互作用に着目し、既存薬とは異なる作用機序の抗がん剤となりうるDNMT1とその機能を調節するタンパク質との相互作用阻害物質を取得することを目指す。 令和2年度は、腫瘍組織で高発現し、DNMT1を安定化、活性化することが知られている脱ユビキチン化酵素USP7とDNMT1の相互作用に着目し、その相互作用阻害物質を探索すべく、スクリーニング系の構築を試みた。スクリーニング系としては、部位特異的蛍光修飾法を応用したFRETスクリーニング系を利用することにした。部位特異的蛍光修飾法は、部位特異的人工アミノ酸導入法により、任意箇所にアジド基が導入されたタンパク質を取得し、アジド基と特異的に反応するアルキン基をもつ蛍光分子によって任意箇所を修飾する方法である。まず、DNMT1およびUSP7へのアジド基の導入位置の選出を行った。選出方法としては、既知のDNMT1-USP7複合体構造情報をもとに蛍光分子および消光分子がFRET効率のよい数nm以内に位置するよう蛍光分子導入位置を複数ペア設計し、DNMT1は7残基、USP7は9残基をアジド基導入箇所とした。次に、設計した位置にアジド基を導入可能なDNMT1およびUSP7変異体発現プラスミドの構築を行った。また、構築した変異体発現プラスミドを用いて、任意箇所にアジド基を導入したDNMT1およびUSP7が発現させ、各タンパク質が十分量取得可能であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響により、研究遂行に必要な試薬・試料等を準備するのが遅れ、令和2年度に実施予定としていたスクリーニング系が機能するかを検証する実験まで進めることが出来なかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に構築したDNMT1およびUSP7変異体を用いてスクリーニング系が機能するか検証を行う。次に、スクリーニング系を用いて、化合物ライブラリからDNMT1-USP7相互作用阻害物質の取得を試みる。続いて、取得した物質がDNMT1-USP7を介したがん抑制効果を発揮するか検証する。具体的には、癌細胞株に対し、得られた阻害物質を添加した場合に細胞増殖が抑制されるかを評価する。また、がん抑制遺伝子のプロモーターのメチル化レベルを解析し、がん抑制効果がDNMT1-USP7を介しているか検証する。
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Causes of Carryover |
委託解析をする予定であったサンプルが年度内に1サンプル用意することが出来なかったため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は、前述サンプルの解析に使用予定である。令和3年度分は、当初の使用計画通り、スクリーニング系の検証実験、スクリーニング実験、取得物質のがん抑制効果検証実験のために必要な実験試薬および器具、委託解析費として使用する予定である。
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