2020 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of the molecular cytological mechanism by which mesenchymal stem cell-derived exosomes promote tendon repair
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20K22740
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
林 悠太 広島大学, 医系科学研究科(医), 寄附講座助教 (20881296)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / エクソソーム / 腱修復 / スクレラキシス / 糖鎖 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、エクソソームによる腱修復促進作用を明らかにするとともに,継代数の違うMSC由来エクソソームでの治療効果の違いやエクソソーム上の糖鎖を指標に質を評価できるかを検証するものである。 マウスアキレス腱切離モデルを用いて、継代数(以下P)5と12それぞれのMSC投与群,エクソソーム投与群と,PBS投与群の5群を作製し,組織染色像,電子顕微鏡画像の評価,遺伝子発現解析を行った.さらにin vitroでもエクソソームの腱細胞への影響を調査した.MSCおよびエクソソームはレクチンアレイを用いた表面糖鎖解析を行い,継代数と糖鎖そして組織修復能との関連性を検証した. その結果、組織染色により組織学的スコアによる評価ではP5エクソソームが腱修復をより促進していることが示唆され,電子顕微鏡でも修復組織内により太いコラーゲン線維が確認された.また遺伝子発現でもP5エクソソームが早期腱修復を促進していることが示唆された.P5エクソソームはより効率的に腱細胞に取り込まれており,さらに腱細胞の増殖能や遊走能を促進していた.そして,レクチンアレイの結果は、継代数に伴う修復能の違いにより発現が顕著に変化しているエクソソーム表面糖鎖を同定した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
P5エクソソームがP12エクソソームよりアキレス腱修復をより促進することが示唆されるなど、MSCエクソソームによる腱修復促進効果を得ている。また、エクソソーム表面糖鎖解析結果からエクソソームの質に対して評価マーカーとなり得る糖鎖を同定できていることからも、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、MSCの継代数に伴う修復能の低下とともに発現が顕著に変化していたエクソソーム表面糖鎖の機能を明らかにしていく。そして、MSCエクソソームの質の評価に糖鎖が利用できるのか、そして、その糖鎖のエクソソーム上での修復能などの機能をより明らかにし、糖鎖を用いたエクソソームの新たな単離方法や糖鎖を修飾することより治療効果を高めたエクソソームの開発へと発展させる予定である。
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Causes of Carryover |
試薬など消耗品に充てていく予定である。
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