2022 Fiscal Year Annual Research Report
Antitumor immunity mediated by HLA-E in hepatocellular carcinoma
Project/Area Number |
20K22760
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中河 秀俊 金沢大学, 医学系, 助教 (90743469)
|
Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
|
Keywords | HLA-E |
Outline of Annual Research Achievements |
【HLA-E haplotypeと抗腫瘍効果】 切除不能肝細胞癌に対する標準治療の一つとしてアテゾリズマブ・ベバシズマブ療法があるが、本治療法とHLA-Eハプロタイプに関連があるかどうかをまず検証した。当科でアテゾリズマブ・ベバシズマブ療法を導入した進行肝細胞癌患者、計83名の末梢血から、total DNAを抽出し、競合PCR法にてgenotypingを行った。その結果、HLA-E0101 homoが9例、HLA-E0101/0103が40例、HLA-E0103が35例であった。この分布の偏りはこれまで報告されている一般人口での偏りと同様の傾向を示しており、肝癌罹患に特定の傾向を示すハプロタイプの存在は示唆されなかった。全生存中央値に関してはHLA-E0101 homoが168日、HLA-E0101/0103が231日、HLA-E0103が280日であり、HLA-E0101 homeで生存期間が短い可能性が示唆された。 【シングルセル解析による抗原特異的CD8細胞の遺伝子発現解析】 がん免疫応答を深く理解するためにscRNAseqとscTCRseqを用いてがん抗原特異的CD8T細胞の遺伝子発現解析を行った。がん抗原特異的T細胞はメモリー形質を有しており、NOSIP、IL7R、SELLといった遺伝子の発現が亢進していた。さらにこれらの遺伝子はAP-1転写因子の制御を受けていると考えられた。また自己複製能も亢進していると考えられ長期間体内に存在できることに寄与していると考えられた。この特徴は単一の抗原のみならずいくつかの腫瘍抗原特異的なT細胞において共有された性質であることも分かった。この結果はNat Commun.に論文として発表した。
|
Research Products
(2 results)