2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of pollen adjuvants for pollinosis
Project/Area Number |
20K22791
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
菅野 峻史 東京薬科大学, 薬学部, 助教 (00882135)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 花粉症 / 自然免疫 / 獲得免疫 / 糖鎖 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒノキ、スギ、カモガヤ、ブタクサ花粉では樹状細胞に対する刺激によって有意に炎症性サイトカイン(IL-6及びTNF-α)の産生を誘導した。一方でセイタカアワダチソウ、アカマツ、クロマツ、イチョウ、シラカバの花粉による刺激では有意な産生増強は見られなかった。活性を示した4種の花粉のうち、ブタクサはDectin-1KOマウスで野生型に対して若干の抑制がみられたが花粉刺激によって有意なサイトカイン産生を示した。各花粉のリポ多糖(LPS)含量を比較したところ草花粉(ブタクサ、カモガヤ、セイタカアワダチソウ)は全てでLPS含量が高く、特にブタクサは突出して高値を示した。一方で樹木花粉ではLPS含量は低かった。以上よりブタクサ花粉による活性はLPSが原因であると予想される。スギ、ヒノキ、カモガヤについてはDectin-1KOマウス由来の樹状細胞で有意な産生抑制がみられたためβ-glucanが活性に強く影響を与えていると考えられる。そこで、3種のうち検討例のないヒノキ、カモガヤについて in vivoでの検討を行った。 スギでの自検例と同様に経鼻投与による免疫応答へのDectin-1の影響を検討したところ、ヒノキ花粉単独投与による特異抗体産生はDectin-1依存的に増強されたが、花粉とAlumアジュバントによる前感作群でもDectin-1依存的な差がみられた。以上からヒノキはスギ同様にβ-glucanが感作に影響を与えていると考えられる。そのため現在論文投稿の準備中である。 カモガヤは前感作群でDectin-1依存的に特異抗体の産生増強がみられた。一方、花粉単独の投与群ではマウス系統に関係なく抗体価の増加がみられなかった。これは本検討で構築した抗体価測定法の感度が低い、もしくはスギヒノキと比較してカモガヤは重量あたりの感作能が低い可能性が考えられる、そのため更なる検討を要すると考えられる。
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Research Products
(9 results)