2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of the innovative treatment for NAFLD-related hepatocellular carcinoma by using comprehensive analysis of intra-hepatic lymphocytes
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20K22794
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
坂本 譲 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (20876247)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2025-03-31
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Keywords | 肝浸潤リンパ球 / 肝癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝切除を施行する肝癌患者において、採血、肝切除検体から得られるヒト末梢血単核細胞(PBMC)および肝浸潤リンパ球(IHL)の採取・抽出・保存方法を確立した。また、これまで10例を超える症例から上記試料を採取・保存し、PBMC、IHLにおける細胞傷害性T細胞、NK細胞、B細胞、およびそれらに発現する表面マーカーの評価をflow cytometryで検証中である。上記と並行して、肝切除検体のHE染色および免疫染色を施行し、症例ごとに上記免疫細胞の発現形態や、それぞれの免疫細胞に発現するPD-1、PD-L1を同定し検証中である。健常者と肝癌患者のPBMCを用いた免疫細胞の比較では、肝癌患者における細胞傷害性T細胞やNK細胞の減少、活性化マーカーの低下を示唆する所見が得られているが、肝癌患者自体がヘテロな集団であり、年齢、性別、癌の進行度、Etiologyなどによって統一した見解を得るまで至ってはいない。今後も引き続き、PBMCを用いた健常者と肝癌患者間での違い、また肝癌患者IHLにおける癌部と非癌部との比較、さらには、PBMCとIHLとの関連性を探索し、肝癌患者に特異的な免疫細胞、あるいは標的マーカーを検索していきサロゲートマーカーとしての有用性を検証する。それと並行し、標的細胞の機能解析を行い、機能異常の機序の解明、ブロッキング抗体などを用いた免疫機能回復の検索にも努めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初、コロナ感染症蔓延などから、検体採取・抽出・保存方法の確立が遅れたが、現在は症例を蓄積する段階となっており、概ね順調に研究は進行している。検体採取と並行し、実際に得られた検体を用いたvitro実験も進めており、今後特定の免疫細胞に着目した発現マーカーの検証を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の通り採取・抽出・保存した検体を用いて、各免疫細胞に発現する特異的なマーカーを同定する予定である。また、同定した特異的な発現マーカーと臨床データとの関連、免疫染色結果との関連を検証していく。症例を蓄積することにより、患者集団の層別化、Etiologyの統一などを図り、肝疾患特異的なEtiology間の免疫細胞の動態、特異性、さらには癌の進行度との関連性を見出す。
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Causes of Carryover |
検体数をある程度確保・保存した後に施行する実験・研究のため、次年度使用額が生じた。 検体数が30例ほど蓄積した段階で、標的マーカーの検証や臨床データとの相関を検討していく予定である。
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