2020 Fiscal Year Research-status Report
患者個別化医療に向けた治療前の医療画像のみから腫瘍の縮小を予測する手法の開発
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20K22795
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
田中 祥平 東北大学, 大学病院, 助手 (90883330)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 放射線治療 / 頭頚部癌 / 人工知能 / 腫瘍縮小 / 患者個別化医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
頭頚部癌患者の治療計画前のCT画像を62人を用いて、治療計画中の腫瘍の縮小をディープラーニングで予測を行った。方法としては、治療計画前の原発巣の肉眼的腫瘍体積とリンパ節転移の腫瘍体積を算出し、それから2週間ほど経過した原発巣とリンパ節の肉眼的腫瘍体積を算出し、その差分を計算する。この差分が大きいほど治療期間中に腫瘍が縮小する患者ということになる。まずは、全62人の患者の中央値の差分を使用して、腫瘍縮小群と非縮小群に患者を分類した。 そこから、治療計画前のCT画像を様々な事前学習済みのディープラーニングのモデルに入力して、そこからさまざまなパターンの特徴量を抽出した。この特徴量に関しては1000個ほどあるため、そこからCT画像のノイズに強い特徴量や冗長性のない特徴量や腫瘍の縮小に関係のある特徴量のみに絞り込みを行い、最終的には10個まで有用な特徴量を絞り込んだ。絞り込んだ特徴量を機械学習(ランダムフォレストやサポートベクトルマシーン、k-nearest neighborなど)で学習を行い、パラメータのチューニングを行った。さらに学習された機械学習のモデルに未知のデータの特徴量を入力して、腫瘍の縮小と非縮小を予測した。本研究のディープラーニングアプローチは現在のところ未知のデータに対して、AUC=0.89(1が最大値)で予測ができている。今までの臨床的因子(年齢、性別、化学療法の有無、腫瘍の組織型、ステージ分類、腫瘍体積など)ではAUC=0.64ほどであった。またレディオミクスと呼ばれる画像からさまざまな特徴量を抽出する方法では、AUC=0.70であったため、本研究のディープラーニングアプローチは従来の方法よりも超える結果を出すことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
テスト段階として62例で行ったが、深層学習の特徴量を用いて、腫瘍の縮小を回帰予測することは難しそうである。そのため、縮小するか縮小しないかの細かい分類を目標として、症例を増やし解析を続ける方針とした。さらに、未だCTのみでの解析段階のためMRIなどの画像データも解析対象に含めないといけないという点で少々遅れていると感じている。
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Strategy for Future Research Activity |
62例ではあるがある程度の結果を算出し、解析のワークフローはほぼ完成したため、症例数を増やして今後追加解析を行う。さらに放射線治療計画用に撮影されたCTしか用いていないため、今後は診断用に撮影されたMRIなどを含めることができたら解析に加える方針である。
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Causes of Carryover |
本年度は計画通りに費用を使用したが、少しだけ余ってしまった。次年度使用額については研究関連書籍などに使用する計画である。
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Research Products
(1 results)