2022 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト膵癌モデル動物の確立および新規バイオマーカーとしてのエクソソームの解析
Project/Area Number |
20K22800
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小川 光平 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任助教 (20882781)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | 膵癌 / ハイドロダイナミック遺伝子導入法 / エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、膵癌モデル動物を用いて、膵癌組織から放出されるエクソソームを用いた膵癌の早期診断マーカーを確立することを目的としていた。 まず膵癌モデル動物を効率的に作成するため、膵臓選択的に遺伝子導入するハイドロダイナミック法を用いて、より効率的に膵癌発生しうる膵発癌関連遺伝子(KRAS、Myc、Nras、Yap )の選定を行った。その結果、KRAS変異遺伝子およびYap遺伝子を組み合わせて導入した個体で、組織学的に不整な膵管構造、核の極性喪失、Ki67陽性細胞数の上昇などの悪性化傾向を示した。さらにKRAS変異遺伝子およびYap遺伝子を単発導入するだけではなく、複数回導入することで、膵発癌がより高率に引き起こされることを確認できた。しかし、このハイドロダイナミック法を複数回行うことで、モデル動物として使用していたラットの死亡も相次いだ。こちらは死亡個体の検証を行うことで、ハイドロダイナミック法の周術期管理を修正改善していくことで、より安全で効率的にハイドロダイナミックを行える手法を習得することが出来るようになった。以上の、実験結果から膵癌モデル動物を作成する手法の確立に至った。 つぎに、この膵癌モデル動物を用いて膵癌組織からエクソソーム解析を行う予定であるが、この膵臓選択的なハイドロダイナミック法の手法および周術期管理の習得に予想以上に時間を費やしており、エクソソーム抽出・解析は現在も進行中であり、まだ膵癌特異的な新規バイオマーカーとしての立証には至っていない。
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