2021 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子改変T細胞治療を目的としたhTERT特異的T細胞受容体の機能評価
Project/Area Number |
20K22804
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
梶 喜一郎 金沢大学, 医学系, 協力研究員 (70886407)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 遺伝子改変T細胞 / hTERT / T細胞レセプター / がん免疫療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
腫瘍特異的なT細胞受容体(TCR)遺伝子のリンパ球への導入(TCR-Tの作成)を行い,その細胞傷害活性を検証した. ・我々の先行研究(Kobayashi, Nakagawa et al. Nat. Med. 2013, Nakagawa et al. Gastroenterol. 2018)において決定した遺伝子治療に有望なTCR (Elite TCR)の配列のうちhTERT由来TCR配列と,陽性コントロールとしてサイトメガロウイルス(CMV)由来のTCR配列について,Gibson assemblyの手法を用いてレトロウイルスベクター「pMXs-IRES-GFP」(CELL BIOLABS,INC. USA)に導入した.これをパッケージング細胞「Phoenix-Ampho 細胞」(ATCC, USA)に感染させてベクターを複製し上清を回収させ,この上清とRetroNectin(TakaraBio Inc., Japan)処理したプレートを用いてウイルス結合プレートを作成し,このプレート上へ健常者ドナーから得られたCD3陽性細胞を添加することで,目的のTCR遺伝子をCD3陽性細胞へ導入しTCR-Tを作成した.作成したTCR-Tは保存液を用いて凍結保存した. ・TCR-Tの細胞傷害活性について評価するために,標的細胞をラベル後、TCR-Tと共培養を行い、共焦点蛍光顕微鏡にてタイムラプス撮影を行った.タイムラプスの間隔は30秒おきで10時間撮影とし,50分おきのタイムポイントごとに死細胞数をカウントして経時的な細胞傷害活性を測定した.ターゲットとして,まずC1R細胞株にHLA-A*2402を発現させた培養細胞株C1R-A24をもちいて細胞傷害活性のスクリーニングを行った.づついて肝癌由来培養細胞株HepG2(hTERT陽性/HLA-A24陽性),およびより生理的な肝細胞癌への傷害活性評価を目的として我々が独自に取得した肝癌細胞株であるMT(hTERT陽性/HLA-A24陽性)およびKM(hTERT陰性/HLA-A24陽性)を用いた.その結果,hTERT由来TCR-Tは強力なhTERT特異的な細胞傷害活性を示した.
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