2020 Fiscal Year Research-status Report
大腸癌自然肝転移マウスモデルを利用した大腸癌肝転移巣微小環境特性の解明
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20K22811
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 高正 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (60884088)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 大腸癌肝転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸癌は癌死亡原因の上位を占める。大腸癌は肝臓に転移しやすく、患者の予後を向上させる上で、大腸癌肝転移のメカニズムの解明とその制御は極めて重要な課題である。大腸癌の進展メカニズムの1つとして、腫瘍とその周囲に存在する間質細胞がネットワー クを構築し、腫瘍の生存、進展に有利な環境を形成していることがわかってきた。これまで自然肝転移をきたすマウスモデルは複数報告されているものの転移効率は非常に低いものであった。本研究は転移効率の高い自然肝転移マウスモデルを確立し、特に転移巣周囲の微小環境の特性に注目して大腸癌肝転移の分子機構を解明することを目的としたものである。研究の方法は、まず数種類のマウスを交配することによって、大腸癌で報告されている遺伝子異常を有する遺伝子改変マウスを作成する。次に遺伝子改変マウスの自然肝転移の有無とその頻度を確認し、原発巣、転移巣のサンプルを用いて腫瘍の微小環境の特性について解析する。本研究により、肝転移治療のターゲットを同定し、大腸癌肝転移患者へ応用が利く治療を開発するための基盤を確固たるものとする。 今年度、我々は大腸癌の進展に関わるKras, Pten, p53遺伝子変異を有する遺伝子改変マウスを京都大学消化器内科教室から譲り受けSPF化を行った。現在は目的とする遺伝子変異を有するマウスコロニー作成の途中段階にあり、マウスの交配を進めている。また、Kras,Pten遺伝子変異を有するマウスにおいて腸上皮由来の肝転移が形成されることを既に確認しており、本マウスから得られた原発巣、転移巣のサンプルを用いて腫瘍の微小環境の構築に関わると考えられる因子の発現を比較した。現時点で原発巣に比べて肝転移巣においてサイトカインCsf3の発現が亢進していることを確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大腸癌の進展に関わるKras,Pten,p53遺伝子変異を有するマウスのSPF化は既に終了し、目的とする遺伝子変異を有するマウス作出に向けた交配が現在進行中であるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は目的とする遺伝子変異を有するマウスを作成した後、本マウスにおける肝転移の有無を確認する。肝転移があれば肝原発巣、転移巣のサンプルを用いて腫瘍の微小環境の特性について解析を進める予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)有効な利用の為、繰越金が生じた。 (使用計画)次年度の物品費に充当の予定である。
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