2020 Fiscal Year Research-status Report
個別化医療への実用を目指したゲノム編集による胆嚢癌新規マウスモデルの開発
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20K22816
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井手野 昇 九州大学, 医学研究院, 助教 (90883421)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 胆嚢癌 / マウスモデル / ゲノム編集 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者はCRISPR/Cas9 systemを利用したゲノム編集/ノックアウトによって,膵臓特異的にdriver遺伝子変異を生じさせ,時間と費用を抑えた膵癌マウスモデルを開発した(Ideno N et al, Lab Invest. 2019; 99: 1233-44).具体的にはCas9タンパク質を膵臓特異的に発現している遺伝子改変マウスの膵臓にアデノ関連ウイルス(AAV)を介して複数のguide RNAを膵臓に誘導し, Kras遺伝子の塩基編集とguide RNAによる対立遺伝子の欠損によって膵癌の前癌病変と膵癌が発生する”autochthonous mouse model ”である.この技術は難治性の胆嚢癌モデルにも応用可能と考え,胆道上皮に特異的なCK19のもとでCas9タンパク質を発現するマウスを作成し,胆嚢粘膜にアデノ関連ウイルスを介してguide RNAを誘導し,driver遺伝子の変異を起こすことで胆嚢癌が自然発生するかを検証することとした. パブリックデータから胆嚢癌に頻度が高いドライバー遺伝子を2つ選択し,さらに頻度は高くないが治療標的となりうるドライバー遺伝子1つを選択した.これらの遺伝子に機能獲得型の変異を生じさせるguideRNAをデザインし,予測通りのゲノム編集が生じるかの確認を行っている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
パブリックデータから胆嚢癌に頻度が高いドライバー遺伝子を2つ選択し,さらに頻度は高くないが治療標的となりうるドライバー遺伝子1つを選択した.これらの遺伝子に機能獲得型の変異を生じさせるguideRNAをデザインした.このguide RNAとCas9タンパク質が同時に発現するプラスミドにデザインしたオリゴをクローニングした.このguide RNAによって予測通りのゲノム編集が生じるかを確認するために,これらのプラスミドをそれぞれマウスの膵癌細胞にトランスフェクションさせ,抽出したDNAから標的配列をPCRで増幅しサザンブロットで編集が実際に起きているかをスクリーニングしている段階である.同時にguideRNAをAAVにパッケージングするためのプロトコールを作成中である.
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Strategy for Future Research Activity |
デザインしたguideRNAが実際にマウス膵癌細胞で予測通りの編集を起こすかを確認した後,アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクターにguide RNAをクローニングする.HEK293T細胞へのpolyethyleminine (PEI)を用いたトリプルトランスフェクションでguide RNAをAAVにパッケージングをおこなう.これと同時にK-19-Cre-ERTマウスとLSL-Cas9マウスを交配してK19-Cre-ERT; LSL-Cas9マウスを作成し,AAVをCas9タンパク質を発現した胆嚢上皮に注入して胆嚢癌が発生するかを確認する.
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Causes of Carryover |
当初年度内の購入を予定していたプラスミドはコロナウイルス感染拡大の影響で輸入の手続きに時間を要し,年度内の購入が間に合わなかったため,研究室で保有していたプラスミドをクローニングして代用することとなった.また,トランスジェニックマウスも同様に米国からの購入手続きに時間を要したため,次年度購入を予定している.それに伴ってマウス飼育に関わる費用も次年度使用する予定である.また,学会参加もオンラインでの参加となり,旅費として使用しなかったため,次年度の学会参加に使用する予定である.
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