2020 Fiscal Year Research-status Report
光反応性血管新生阻害剤による腫瘍選択的治療法の開発
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20K22824
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
西村 尚 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (00884785)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 光免疫療法 / 大腸癌 / VEGFR-2 / Minマウス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、腫瘍抗原がheterogeneityの大腸腫瘍を自然発症するApcMin/+マウスを用い、多発する大腸腫瘍を、新たに開発したがん新生血管内皮細胞に対する光免疫療法(NIR-PIT)で治療できるか確認することである。また、血管内皮に存在するVEGFR-2を標的した光感受性抗体化合物をマウスに投与した後に、大腸腫瘍を経肛門内視鏡下で光イメージングできるかについても検討した。 ApcMin/+マウスに腸炎を惹起するデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)を内服させると、経過とともに多発大腸腫瘍を発症するようになることを確認した。マウス肛門より挿入可能な内視鏡を用意し、内視鏡観察下でも大腸腫瘍を確認することに成功した。そのマウスにVEGFR-2標的光感受性抗体化合物を静注し、その翌日に内視鏡で蛍光プローブIR700の蛍光を確認したところ、大腸腫瘍に一致して蛍光を観察できることが確認された。さらに、多発大腸腫瘍を発症したマウスに、IR700を励起する近赤外光(NIR)を照射するファイバーディフューザーを経肛門的に挿入し、NIRを照射することで治療した。治療効果得られるNIRの光量を導き出すことに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物実験を含め順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに、多発大腸腫瘍を発症したApcMin/+マウスに対し、新生血管内皮細胞に対するNIR-PITを施行することで抗腫瘍効果が得られることが確認できた。今後は症例数を増やすことで、統計学的に有意差をもって効果があることを証明していく。また、大腸癌のVEGFR2の発現の程度を調べるため、ヒト大腸癌のtissue microarrayを作成し、免疫染色にてVEGFR2が血管内皮に発現していることを確認し、発現の程度と、正常組織との発現の程度に差があるかを確認する。
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Causes of Carryover |
該当なし
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