2020 Fiscal Year Research-status Report
癌モデルザルの作製とiPS細胞由来の再生T細胞を用いた新規癌免疫療法の開発
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20K22840
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
近藤 健太 滋賀医科大学, 医学部, 特任助教 (60779974)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | カニクイザル / 再生T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、レンチウイルスを用いて4つの癌関連遺伝子をカニクイザルの卵に遺伝子導入させた後、MHCホモサル由来の精子を用いて顕微授精を行い、遺伝子導入された胚を仮親へ移植することでTgカニクイザルの作出に成功している。2020年度は、Tgカニクイザルの頭数を増やすために、同様の方法を用いて新たに2頭のTgカニクイザルの作出に成功した。 また、カニクイザルの腫瘍浸潤T細胞から単離したT細胞受容体 (TCR)遺伝子を発現させたiPS細胞由来の再生T細胞をサル由来腫瘍細胞 (PTY細胞)を移植した高度免疫不全マウス (NSGマウス)に移植して抗腫瘍能を評価した。その結果、TCRを発現させた再生T細胞はPTY細胞に対して高い抗腫瘍活性を有することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
確立したTgカニクイザル作出法を用いて順調にTgカニクイザルの頭数を増やすことに成功している。今後は、作出したTgカニクイザルの解析を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
作出したTgカニクイザルの解析を動物愛護の観点から生後1年6ヶ月以降に実施する。生後1年6ヶ月を経過したTgカニクイザルから末梢血単核球を単離し、遺伝子導入のマーカーであるGFPとクサビラオレンジ (KO1)の蛍光をフローサイトメトリーで確認する。さらに、in vitroでドキシサイクリン (DOX)を添加し、4つの癌関連遺伝子が発現し、細胞の癌化が起きるかどうかを検討する。
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Causes of Carryover |
2020年度は、作出したTgカニクイザルが生後1年6ヶ月未満のため解析ができず次年度使用額が生じた。次年度はTgカニクイザルが生後1年6ヶ月を迎えるため、その解析用試薬の購入費として使用する。
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