2021 Fiscal Year Research-status Report
癌モデルザルの作製とiPS細胞由来の再生T細胞を用いた新規癌免疫療法の開発
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20K22840
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
近藤 健太 滋賀医科大学, 医学部, 特任助教 (60779974)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | カニクイザル / 癌免疫療法 / iPS細胞 / 再生T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、レンチウイルスを用いて4つの癌関連遺伝子をカニクイザルの卵に遺伝子導入させた後、MHCホモサル由来の精子を用いて顕微授精を行い、遺伝子導入された胚を仮親へ移植することでTgカニクイザルの作出に成功している。2021年度は、Tgカニクイザルの頭数を増やすために、同様の方法を用いて新たなTgカニクイザル作出を行った。
また、カニクイザルの腫瘍浸潤T細胞から単離したT細胞受容体 (TCR)遺伝子を発現させたiPS細胞由来の再生T細胞をサル由来腫瘍細胞 (PTY細胞)を移植した高度免疫不全マウス (NSGマウス)に移植して抗腫瘍能を評価した。その結果、TCRを発現させた再生T細胞はPTY細胞に対して高い抗腫瘍活性を有することを明らかし、この成果を報告した (Mol Ther Oncolytics. 2021)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
レンチウイルスを用いて作出したTgカニクイザルを解析したところ、ゲノムDNAに4つの癌関連遺伝子が挿入されていることが確認できた。このTgカニクイザルは、マーカー遺伝子としてGFPとクラビラオレンジ (KO)を導入しているため、末梢血単核球を用いてこれら蛍光タンパク質が発現しているのかをフローサイトメトリーを用いて確認した。その結果、GFPの発現は確認できたが、クラビラオレンジ (KO)は発現していなかった。クラビラオレンジ (KO)が発現していない理由として、挿入されたトランスジーンのコピー数が少ないことが考えられた。
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Strategy for Future Research Activity |
レンチウイルスを用いて作出したTgカニクイザルは、トランスジーンが挿入されているにも関わらず、マーカー遺伝子であるクラビラオレンジ (KO)が発現していなかった。そこでトランスジーンのコピー数を増やすため受精卵に遺伝子導入する方法を改善する。具体的には、センダイウイルスの F タンパク質という膜タンパク質を用いて感染性を高めたレンチウイルスを用いてTgカニクイザルの作出を行う。また、ウイルスを用いずにTransposaseにより積極的にゲノムDNAへ遺伝子を挿入できる、piggyBac Transposon ベクターによる Tgカニクイザルの作出も試みる。
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Causes of Carryover |
2021年度は、作出したTgカニクイザルから細胞を採取し、in vitroでドキシサイクリン (DOX)を添加し、4つの癌関連遺伝子が発現して細胞の癌化が起きるかどうかを検討する予定であった。しかし、作出したTgカニクイザルはトランスジーンが挿入されていているがマーカー遺伝子として挿入した蛍光タンパクが発現していなかった。そのため、当初予定した実験を実施することができず、次年度使用額が生じた。
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[Presentation] Isolation of TCR genes with tumor-killing activity from tumor-infiltrating lymphocytes in a tumor rejection cynomolgus macaque model.2021
Author(s)
Koji Terada, Kenta Kondo, Hirohito Ishigaki, Ayaka Nagashima, Hiroki Satooka, Seiji Nagano, Kyoko Masuda, Teruhisa Kawamura, Takako Hirata, Kazumasa Ogasawara, Yasushi Itoh, Hiroshi Kawamoto, Yasutoshi Agata
Organizer
第50回 日本免疫学会学術集会
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