2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of liquid biopsy biomarker for precision neoadjuvant treatment for pancreatic cancer
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20K22861
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Research Institution | Shizuoka Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
今村 泰輔 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (20870489)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 膵癌 / 術前補助療法 / リキッドバイオプシー / バイオマーカー |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌に対する術前化学療法の有効性が示され、今後は、術前治療→外科切除→術後治療が標準治療となりうる。しかし、更なる治療成績向上には周術期補助療法に対する感受性、耐性を予測するためのバイオマーカー開発、それに基づく個別化治療の確立が不可欠である。本研究では、リキッドバイオプシーの特性に着目して、膵癌に対する周術期補助療法のリキッドバイオプシーバイオマーカーの探索を目的とする。解析予定は以下の通りである。 1.切除標本の膵癌組織におけるwhole exome sequencingのデータを解析し、その臨床病理学的因子、特に補助化学療法の効果や耐性との関連を後方視的に解析する。 2.対象のうち、術前血液サンプルを得られた症例において、保存血漿からcell-free DNAを抽出し、oncopanel sequencingを行う。得られたデータと臨床病理学的因子との相関、特に補助療法との関連を解析する。さらに、circulating cell-free DNAと切除標本の膵癌組織におけるデータを突合し、合致率や相違点を検討しリキッドバイオプシーの有用性を検討する。 3.以上の過程で候補となる遺伝子変異を選定した上で、術前補助療法を開始前の血液サンプルを前向きに収集し、リキッドバイオプシーバイオマーカーの術前補助療法の効果、耐性予測の有用性をのvalidationを行う。 現在は切除標本、約90症例における膵癌組織のwhole exome sequencingのデータを解析し、データの妥当性の検証と、臨床病理学的因子との解析を進めている。さらに、血液サンプルが得られた症例のうち20症例においてcell-free DNAを抽出し、oncopanel sequenceを行なってデータ解析中である。今後は血漿からのcell-free DNAの抽出をさらに進め、それ以降の解析を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
膵癌における術前補助療法のリキッドバイオプシーバイオマーカーを探索するにあたり、術前補助療法前の血液サンプルを前向きに収集し解析する必要がある。その事前準備として、cell-free DNAの抽出方法や解析方法、解析対象、候補の選定などを慎重に進めている。その準備段階として、すでに採取し保存してある手術切除標本の膵癌組織サンプル、術前血液サンプルを用いて後方視的解析を行なっている。つまり組織と血液サンプルでの検出される遺伝子変異の相違や、また各々のデータと補助療法との関連などを順次解析している。慎重に解析方法や探索する遺伝子変異の候補を選定しつつ、前向きに術前治療前の血液サンプルの収集を進めていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
手術切除標本の膵癌組織サンプルにおけるWhole exome sequencingによって得られたデータと、術前血液サンプルから抽出したcell-free DNAをpanel sequencingで解析したデータを突合し、リキッドバイオプシーの有用性や補助療法との関連の解析を進める。慎重に解析方法や探索する遺伝子変異の候補を選定しつつ、前向きに術前治療前の血液サンプルの収集、解析を順次進めていく。
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Causes of Carryover |
本年度は、すでに抽出が済んでいる膵癌組織のシークエンスのデータ解析を施行して解析して血液サンプルの解析の準備を行なっている段階であった。よって実支出としては計上する費用はなかった。少し計画が遅れ、実際に費用のかかる血液サンプルからのcell-free DNA抽出及び、そのシークエンス、データ解析は次年度に行うこととなった。次年度に、保存血漿からのDNA抽出及び、そのシークエンスに伴う費用や、その解析に必要な機材を計上する予定である。
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