2020 Fiscal Year Research-status Report
深層学習による血管造影用カテーテライゼーション難易度と最適なカテーテル形状の解明
Project/Area Number |
20K22862
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
森田 亮 北海道大学, 医学研究院, 助教 (30872626)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | カテーテライゼーション難易度解析 / AI解析 / 3Dプリンター造形物 / 血管モデル / 血管内カテーテル治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
血管内カテーテル治療におけるカテーテライゼーション手技のAI開発を目的として、2020年度に1名のIVR専門医による腹腔動脈から総肝動脈へのCTのVRデータを用いた視認性難易度評価試験結果を教師データとしたResNetー50を用いたAI解析を行った。元VR画像ではAIが血管難易度に関連する領域を認識しないことがわかったため、難易度に関連しない血管を除去した修正VR画像にて同様な解析を行った。その結果、困難例とそれ以外の2群に分けた場合には、Overall accuracyは、89.05%と比較的良好であることを確認している。 2021年度以降では、客観的な難易度を教師データとするため複数のIVR専門医による視認性評価試験を元に同様なAI解析を行う予定である。また、物体検出技術も用いて日常臨床で使用されるVR画像からAI認識が行えるCNNをもつニューラルネットワーク作成を目指している。 また、上記のようなCT等の画像データのみでは、AIに与える難易度の教師データとしては正確性という観点からは不十分であるため、CTデータから造影3DーCTデータを元にした多数の血管模型を3Dプリンターで作成し、多数の医師が術者となり、同一の血管モデルに対して、複数のカテーテルを用いたカテーテライゼーション実験を行い.難易度(成否と手技時間による)を明らかにし、その結果を教師データとしてAIに与えることでより臨床応用が可能なAI開発を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
100例程度の3D-CTデータから血管モデルを作成する予定であったが、3Dプリンターで全例を印刷することはできていない。今年度から大容量の最新型3Dプリンターを設置し作成を行う予定である。2020年度は、1名のIVR専門医によるCTのVRデータを用いた視認性難易度評価試験結果を教師データとしたResNet-50をを用いたAI解析を行い、難易度に関連しない血管を除去した修正VR画像による解析の結果、困難例とそれ以外の2群でのOverall accuracyは89.05%と比較的良好であった。この事からCTVRデータを用いたAI解析は臨床的に応用可能な精度を示していることが明らかになったため、今年度はより正確なカテーテライゼーション難易度を反映した教師データとしての3Dプリンター造形物である患者の血管モデルの作成およびカテーテライゼーション実験を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、客観的な難易度を教師データとするため複数のIVR専門医による視認性評価試験を元に同様なAI解析を行い、また物体検出技術も用いて日常臨床で使用されるVR画像からAI認識が行えるCNNをもつニューラルネットワーク作成を予定している。この作成された難易度判定ニューラルネットワークを用いて、教師データとしてCTデータから3Dプリンターで作成した血管モデルを用いたカニューレション難易度実験を複数の専門医で行い、専門医による視認性評価結果に比べてより客観的な教師データとしてAIに与えることで臨床応用の可能性が高いAI開発を行う。
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Causes of Carryover |
計上していた旅費に関しては、コロナ感染による影響で学会参加が不可能となったため使用できていない。今後、3Dプリンター造形に必要なレジンや付属品の購入、カテーテライゼーション実験に必要な物品(カテーテル等)、透視実験を行う際の透視室使用料、3D-CADを動かすの必要なPC購入、成果発表を目的とした海外・国内学会発表などに使用予定である。
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