2020 Fiscal Year Research-status Report
Are polyamines useful as biomarkers for neurodegenerative diseases with Parkinsonism?
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20K22864
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
三宅 善嗣 筑波大学, 医学医療系, 講師 (50463584)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | パーキンソン症状 / 尿中ポリアミン / ガスクロマトグラフィー質量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ガスクロマトグラフィー質量分析器を用いて神経変性疾患における血中・尿中ポリアミンの疾患特異的バイオマーカーとしての可能性を検討するものである。具体的な研究項目は、①健常者および各神経変性疾患におけるポリアミンのパターン解析、②神経変性疾患患者における臨床症状とポリアミンの推移の関連の解析、③神経変性疾患患者の治療介入前後におけるポリアミン動態変化の解析である。「パーキンソン症状を呈する患者の鑑別診断における血中・尿中ポリアミン測定の有用性の検討」という研究課題名で2020年度中にまず茨城県立医療大学倫理委員会に申請を行い、承認された。早速、茨城県立医療大学付属病院に通院中の患者2名より研究目的での尿採取の承諾が得られたため、ガスクロマトグラフィー質量分析器でのポリアミン解析を行った。1名は進行性核上性麻痺の患者であり、尿中ポリアミンは測定感度以下であった。もう1名は筋萎縮性側索硬化症の患者であり、ポリアミンのうち、スペルミンが微量測定された。また、ガスクロマトグラフィー質量分析器を用いた解析では、ポリアミンのみならず他の尿中代謝産物のプロファイリング(400種類以上)が可能であり、前者ではジカルボン酸尿症、後者では高シュウ酸尿症を認めるなど、興味深い解析結果が得られている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の影響で、外来受診から電話診察に変更する患者が増えていることもあり、思うように検体数が集まっていない。また、パーキンソン症状を呈する患者の尿中ポリアミン解析を行う上で健常例との比較は当然のことながら重要となるが、研究協力への広報を行っているものの、やはり新型コロナウイルス感染症の影響で学内・院内への立ち入りが思うようにできなくなったことがあり、研究協力者を集めることにも苦戦を強いられている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、研究対象となる患者への研究内容説明、同意が得られた場合には検体採取を行っていく。また、健常者からの検体採取を推進するため、学内メールを利用するなど、本研究内容の広報活動を併行して進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染症の影響で学会の現地開催が中止となり、旅費としての支出の必要がなくなった。また、茨城県立医療大学倫理委員会への申請から承認までに時間を要したため、当該年度内に消耗品を購入できなかった。今後、解析を進めていく上で必要となる物品を順次購入していく予定である。
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