2022 Fiscal Year Research-status Report
新規抗炎症性物質ResolvinE3の気管支喘息に対する効果と作用機序の検討
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20K22865
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
佐藤 真季子 群馬大学, 医学部附属病院, 医員 (10873606)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2024-03-31
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Keywords | ResolvinE3 |
Outline of Annual Research Achievements |
ResolvinE1, E2, E3について、マウス動物実験モデル(in vivo) および樹状細胞実験(in vitro)試料を用いて検討を進めている。ハウスダストマイト点鼻により マウス好酸球性気道炎症モデルを作成し、resoltion phaseにあたる時期にResolvin E1,E2,E3 2μgをそれぞれ腹腔内投与したマウスの気管支洗浄液中の細胞 数、分画、サイトカインの動態を検討した。Resolvin E1,E2, E3が、気道炎症モデルにおいて上昇する肺胞洗浄液中の細胞数を同程度に抑制し、好酸球も同様の 抑制傾向を示すことを確認した。本実験においてはE3が細胞数・好酸球数ともに最も低い傾向にあったが、群間の統計学的優位差は認めなかった。レゾルビンE2 についてははじめて好酸球性気道炎症モデルにおける効果を確認した。また、喘息モデルとして確立されているOVA吸入によるマウス気管支喘息モデルを作成し 同様に肺胞洗浄液について検討した結果、同様にResolvinE3投与による細胞数低下を認め、モデルに依存せず好酸球性気道炎症に抑制効果があると考えられた。 また in vitroでの実験においては、マウス大腿骨の骨髄から採取した骨髄細胞をGM-CSFとIL-4で分化誘導し樹状細胞を作成し、IL-4とIL-33で刺激し、 ResolvinE1, E2, E3を添加し、ELISA法で各種サイトカインの動態を検討した。E3がE1,E2よりIL-23を有意に抑制している可能性がある事を確認した。過去の研 究で、既知のレゾルビンE1のレセプターであるBLT1レセプターへの応答性がレゾルビンEシリーズそれ ぞれで異なっていることが示唆されており、引き続きシグ ナル伝達やサイトカインの動態について研究を進行している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
主に新型コロナウイルス対応のため遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に沿って、骨髄由来樹状細胞を使用してレゾルビンE 1,E2, E3についてシグナル伝達経路の検討など作用機序の解明を行う。
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Causes of Carryover |
本年度は研究計画に沿って、マウス、細胞培養による試料を作成し予備実験を行った。これらを使用し、次年度はウエスタンブロッティングなどの手法による実験を計画しているため、実験用の試薬などに 使用する予定である。
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