2020 Fiscal Year Research-status Report
ヒト体外腸疾患in vivoモデルを用いたIBD上皮脆弱性リセット治療の開発
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20K22867
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
渡辺 翔 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 医員 (00878100)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 炎症塑性リセット / ヒト体外モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
炎症性腸疾患(IBD)は一旦「寛解」するも「完治」はせず、再燃するため罹病期間が長期となる難病である。寛解時の腺管のねじれなど腸管上皮細胞の形質塑性や脆弱性による潰瘍再発は以前より指摘されているがその原因は不明である。申請者は長期炎症で不可逆的に機能不全に陥った上皮細胞「塑性」こそ病態の根幹であり、塑性獲得機構及び脆弱性リセット機構の解明がIBD病態解明や治療法開発に直結すると着想した。本研究は独自に構築したマウスモデルをさらにヒト体外長期炎症in vivoモデルにまで発展させ、ヒト腸管上皮幹細胞における長期炎症下での塑性獲得機構及び脆弱性リセット機構を解析する今年度はモデルを構築し、炎症モデルにおける網羅的遺伝子発現解析から特異的因子を同定した。どの因子を欠損させると炎症刺激下においても細胞増殖を認めるなど炎症脆弱性のリセットに成功した。潰瘍性大腸炎患者においてもその因子の発現を確認したことから新規治療標的であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りモデルを構築し、新規標的因子の同定に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度同定した因子の阻害薬を探索するとともに、本モデルにおける他の特異的因子の探索を続行する。
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Causes of Carryover |
当モデルにより、候補因子の同定が想定よりも容易に抽出されたため。次年度は得られた候補因子の機能解析を行う予定である。
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Research Products
(3 results)