2021 Fiscal Year Research-status Report
新規アミロイドβペプチド制御因子GAL3BPによるアルツハイマー病治療法の開発
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20K22874
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
関 恒慶 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (10878424)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
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Keywords | GAL3BP / GAL3BP発現トランスジェニックマウス / ADモデルマウス / 小ユニットペプチド |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、GAL3BP発現トランスジェニックマウスを作出し、ADモデルマウスAPPNL-G-F/NL-G-Fマウス(Saito et al, Nature Neurosci 2014:理研BRCより購入)と掛け合わせている。得られた二重変異マウス(ヘテロ)の脳内でのAβ産出量(ELISA法)、脳標本でのAβ沈着量(免疫染色法)の評価をおこなったが、GAL3BPの発現は見られたが、現状では、Aβの明らかな変化は見られなかった。引き続き作成中の二重変異マウス(ホモ)の脳内でのAβ産出量(ELISA法)、脳標本でのAβ沈着量(免疫染色法)指標に、GAL3BPのAβ産出抑制活性をin vivo で評価を続けている。神経病理は、神経炎症とシナプス変性を指標に、また、認知機能については、学習・記憶、社会行動に関するマウス行動解析試験(バーンズ迷路、T字型迷路)を実施し評価している。 GAL3BPのAPP結合に関わる最小ユニットを同定については、GAL3BPを分割した小ユニットペプチドの作成を種々作成しながら、それらのAPP結合活性とAβ産出抑制活性を、APP発現培養細胞を用いた免疫沈降法とELISA法で検証を継続している。得られた最小ユニットをペプチド合成し、アルツハイマー病モデルマウスへ投与し(経静脈、経髄液、経腹腔)、Aβ産出量、神経病理、認知機能の評価、ペプチドの脳内移行および体内動態は、蛍光標識ペプチドを用いて評価のため、準備を進めている。 上記の計画を遂行中だが、コロナ禍もあり、時間や人手の不足といった、当初予想していなかった状況もあり、予定よりもやや遅れた研究進捗となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計画を遂行予定だが、コロナ禍も含め、臨床業務の増大など、時間や人手の不足といった、当初予想していなかった状況もあり、予定よりもやや遅れた研究進捗となっている。また、GAL3BP、Aβの新規評価方向の手技会得にも時間がかかってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、GAL3BP発現トランスジェニックマウスを作出しており、今後、アルツハイマー病モデルマウスAPPNL-G-F/NL-G-Fマウス(Saito et al, Nature Neurosci 2014:理研BRCより購入)と掛け合わせる。作成中の二重変異マウス(ホモ)の脳内でのAβ産出量(ELISA法)、脳標本でのAβ沈着量(免疫染色法)指標に、GAL3BPのAβ産出抑制活性をin vivo で評価を続けている。神経病理は、神経炎症とシナプス変性を指標に、また、認知機能については、学習・記憶、社会行動に関するマウス行動解析試験(バーンズ迷路、T字型迷路)を実施し評価している。これらにより、GAL3BPのAβ産出抑制効果とアルツハイマー病の進行抑制効果が個体レベルで明らかになり、GAL3BP療法のProof-of-Conceptを示す。 また、GAL3BPを分割した小ユニットペプチドをさらに作成し、今後、それらのAPP結合活性とAβ産出抑制活性を、APP発現培養細胞を用いた免疫沈降法とELISA法で検証する。得られた最小ユニットをペプチド合成し、アルツハイマー病モデルマウスへ投与し(経静脈、経髄液、経腹腔)、Aβ産出量、神経病理、認知機能を評価する。ペプチドの脳内移行および体内動態は、蛍光標識ペプチドを用いて評価する。機能性ペプチドで効果が得られない場合は、全長の組換えGAL3BPの投与を検討する。本計画により、GAL3BPの機能ユニットを用いたペプチド創薬の基盤的知見が得られる。 ADの治療標的となることを、ADモデルマウスを用いて実証し、GAL3BPのAβ抑制の最小機能ペプチドを同定することで、ペプチド創薬にむけた基盤的知見を得る。
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Causes of Carryover |
計画を遂行中だが、コロナ禍も含め、臨床業務の増大など、時間や人手の不足といった、当初予想していなかった状況もあり、予定よりもやや遅れた研究進捗となっている。 GAL3BP発現トランスジェニックマウスについて、引き続き、Aβ産出量(ELISA法)、脳標本でのAβ沈着量(免疫染色法)を指標に、GAL3BPのAβ産出抑制活性をin vivo で評価、神経病理は、神経炎症とシナプス変性を指標に、また、認知機能については、学習・記憶、社会行動に関するマウス行動解析試験(バーンズ迷路、T字型迷路)を実施し評価する予定である。 また、GAL3BPを分割した小ユニットペプチドの作成ができ、今後、それらのAPP結合活性とAβ産出抑制活性を、APP発現培養細胞を用いた免疫沈降法とELISA法で検証する。得られた最小ユニットをペプチド合成し、アルツハイマー病モデルマウスへ投与し(経静脈、経髄液、経腹腔)、Aβ産出量、神経病理、認知機能を評価する予定である。
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Research Products
(3 results)