2021 Fiscal Year Annual Research Report
美白成分による自己免疫性白斑誘発の作用機序の解明とその予測法の開発
Project/Area Number |
20K22885
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
片平 泰弘 東京医科大学, 医学部, 助教(特任) (80881458)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 白斑症 / ロドデノール / 代替法 / ROS / ATP / IL-12 / 細胞障害性T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
2013年に化粧品の美白成分でメラニン合成に重要なチロシナーゼの阻害剤ロドデノール(RD)による白斑発症が、社会問題になった。この原因は、RDがチロシナーゼにより代謝され活性酸素種(ROS)を生じ、メラノサイト特異的に細胞傷害を引き起こし白斑発症に至ると考えられているが、その作用機序については不明の点が多い。 本研究では、RDによる白斑誘発が、メラノサイトの細胞死によって樹状細胞(DC)が活性化し、細胞障害性CD8+T細胞が誘導されて生じると仮説を立て、その作用機序の解明を試みた。前年度までに、トランスウェルのインサートとして3次元培養用のScaffold上で培養したSK-MEL-37細胞をメラノサイトの代わりに用い、その下にDCとしてTHP-1細胞を用いる共培養系(h-CLATw/M)を開発する事で、THP-1表面上のDCの成熟化マーカーである共刺激分子CD86の発現を解析してRDによる感作作用の検出に成功した。白斑誘発作用がない美白成分アルブチンやアスコルビン酸では、その発現増強は見られず、本共培養系が白斑症誘発のin vitro評価法として有効である事が示唆された。 最終年度においては、共培養系を用いたDC活性化の機序解明に取り組み、DCの活性化にROSおよび細胞外ATPが関与している事、細胞外ATPは小胞体ストレスによって生じる事が実験的に示唆された。さらに、SK-MEL-37を介してRD処理したTHP-1ではT細胞のTh1分化を誘導するIL-12の発現が上昇しており、細胞障害性T細胞の誘導を示唆する結果が得られている。
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