2020 Fiscal Year Research-status Report
Stanford B型大動脈解離における血流動態解析とCFDモデルの最適化
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20K22889
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
樋口 慧 東北大学, 大学病院, 医員 (90876715)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 4D flow MRI / CFD / CT / Stanford B型解離 |
Outline of Annual Research Achievements |
東北大学病院では2015年から大動脈解離症例に対して大動脈内の血流動態を評価するために4D flow MRIを撮像している。Stanford B型大動脈解離は保存的に治療することが多いが、経過観察中に血管径の拡大を認め、手術が必要となった慢性期の偽腔開存型解離に対して4D flow MRIを撮像した症例は現時点で21例である。この21例が本研究の対象となる。それぞれの症例の4D flow MRIデータとcomputational fluid dynamics(CFD)の解析を行うために必要となる、4D flow MRIを撮像した直近の造影CTデータを収集したが、1例においては単純CTのみしかなく、除外した。よって現時点で20例のデータを収集した。一方で、2020年8月からは撮像機種の更新に伴って撮像条件の変更が発生しているため、2020年8月からの症例5例のデータを別に扱うか検討中である。現在、4D flow MRIのデータから解析用のソフトウェアを用いて大動脈の形態抽出を行い、その大動脈腔内に流れる血流の速度ベクトルの各時間、各ボクセルごとの情報を抽出するための解析を行っている。今後はその情報を別のソフトウェアで解析し、血流のらせん度や渦流のサイズなどの物理量を算出する。また、CFD解析でコンピュータ上で血管形態から血流動態をシミュレーションするために、別のソフトウェアを用いてCT画像から大動脈形態の抽出を行っている。そこに4D flow MRIから算出した入り口と出口の血流データを入力し、シミュレーションを行っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
MRIの撮像に関しては予定症例数を達成している。これからMRIの血流動態の解析とCFDを用いた解析を行い比較していく。CFDの解析を行ってみて、必要であれば条件を追加した4D Flow MRIの撮像を行っていく。
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Strategy for Future Research Activity |
4D flow MRIから得られる各パラメータの算出を行う。また、4D flow MRIから得られたパラメータを用いてCFDの解析を行い。それぞれの違いを解析していく。また、以前撮像に使用していたMRスキャナーが現在新しい機種へと更新されたため、新たな条件での解析も行っていく。
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Causes of Carryover |
予定していた海外学会などが新型コロナウイルスまん延の影響でほとんど中止またはオンライン開催となったため、予定していた経費を使用しなかった。現在の感染状況をみてもおそらくこの状況は続くと考えられ、オンラインミーティングに必要な物品の購入やデータ解析のスピードを上げることができるような設備や人件費に費用を計上する予定である。
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