2020 Fiscal Year Research-status Report
臍帯由来細胞がミクログリアに及ぼすミトコンドリア制御とアクチンダイナミクスの解明
Project/Area Number |
20K22892
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
向井 丈雄 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (60871324)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | ミクログリア / 貪食能 / アクチンダイナミクス / 臍帯由来間葉系細胞 / RhoGTPase |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではまずマウス由来のミクログリア初代培養をMACSのCD11bソーティングにより確立し、LPSにより活性型ミクログリアと特性変化させることを形態変化、炎症性サイトカイン定量により確認した。また臍帯由来間葉系細胞との共培養で活性化型ミクログリアのアメーバ状形態から分枝状形態へと変化し、炎症性サイトカインが低下することを確認した。更にミクログリアをphalloidin染色しアクチンダイナミクスを評価したところ活性型ミクログリアではF-アクチンが細胞外周に沿ってアメーバ状に広がっているのに対し、臍帯由来間葉系細胞との共培養群では軸索様に伸展しており、skeletonizationによる定量評価で有意に軸索長、分枝数を増加させることがわかった。更に形態変化が主に関わるミクログリアの貪食能をE-coli particleとphalloidin染色を用いて評価したところ、活性型ミクログリアではアクチンがアメーバ状に広がっているため貪食能が低下しているのに対し、臍帯由来間葉系細胞との共培養群ではアクチンリングと呼ばれるE-coliの内包を起こすことで貪食能の有意な増加を認めた。この現象の原因としてミクログリアの貪食能、形態変化に重要なPI3K-Akt-RhoGTPase pathwayに注目し、これを阻害することで臍帯由来間葉系細胞により有意な特性変化がみられなくなることを証明した。これらの結果により臍帯由来間葉系細胞との共培養で、活性化型ミクログリアにおける炎症性サイトカインの鎮座、アメーバ状形態の分枝状変化、アクチンリング形成による低下した貪食能の増加などの特性変化をPI3K-Akt-RhoGTPase pathwayを介して生じさせることを証明した(Cell death discovery 7(1) 46 - 46)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
臍帯由来間葉系細胞が活性化型ミクログリアに及ぼす特性変化とそのpathwayを突き止めることができ、成果を公表することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
臍帯由来間葉系細胞が活性化型ミクログリアに及ぼす特性変化がどのようにミトコンドリア制御を起こしているかの検討を行う。ミトコンドリアの追跡と脱分極の定量をコントロール群、LPS活性化型ミクログリア群、臍帯由来間葉系細胞共培養群で比較検討する。
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