2020 Fiscal Year Research-status Report
マイオカインによる臓器相関に着目した新規NAFLD治療ターゲットの探索
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20K22898
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
今井 則博 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (40877081)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | マイオカイン / 非アルコール性脂肪性肝疾患 / 肥満 |
Outline of Annual Research Achievements |
サルコペニアに代表される骨格筋の異常は、多くの病態とかかわっていることが明らかになっており、その背景として複数のマイオカインが全身の代謝調節因子として報告されている。しかし脂肪肝や肥満の発症に直接影響するマイオカインの報告は限られており、その病態意義はいまだ明らかではない。 60%高脂肪食を用いて、野生型のC57BL/6J(Jackson Laboratory)雄マウス(n=87)を12週間飼育し、体重増加、糖代謝異常、脂肪肝について解析を行った。その結果、脂肪肝マウスモデルにおいて体重41.6gのカットオフと共に肝重量、肝脂肪量、肝脂肪化、及び血中インスリン濃度が大きく変化することを見出した。またこのカットオフを用いてマウスを過体重(overweight 41.6g未満)、肥満(obese 41.6g以上)の二群に大別し、その骨格筋におけるマイオカインの発現についてqPCRを用いて解析を行い、新たにマイオカイン関連6因子(Angptl4, Bdnf, cxcl1, Igf1, IL-6, Pgc1a)がマウスモデルにおける脂肪肝、インスリン抵抗性の増悪に関連していることを見出した。これらの知見は骨格筋が栄養状態に応じてマイオカインを分泌することで、肝臓および脂肪組織との臓器相関を調整し、脂肪肝の病態形成に関わっていることを示唆している。 しかしながらマイオカインがもたらす組織間の相互作用は不明な点が多く、また詳しい分子作用機序は不明である。本研究ではさらに上記の6因子について、主に培養系を用いて肝細胞への影響を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画は概ね順調に推移している。 同定したマイオカインに関連する因子について、肝細胞への影響を明らかにするため、培養肝細胞Hepa1-6、および筋芽細胞C2C12を用いたコンディションメディウム実験系の確立・最適化を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画に従い進行する。 esiRNAを用いてC2C12細胞に対し標的マイオカインのノックダウンを行う。標的およびコントロールesiRNA導入後、筋管細胞への分化誘導を行いマイオカイン関連因子について筋菅形成におよぼす影響を形態学的に評価する。 さらに、これまでに最適化した条件のもとコンディションメディウム実験系を用いて、マイオカイン関連因子の肝細胞代謝への影響をSeahorse XFe24 Flux Analyzerを用いて評価する。
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Causes of Carryover |
初年度に購入を予定していた培養細胞・実験試薬を購入しなかったため、次年度に繰り越し、培養細胞、培養液、細胞培養試薬、siRNA、抗体試薬、DNA・RNA 抽出キットなどの分子細胞学的試薬を購入する予定である。
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Research Products
(1 results)