2021 Fiscal Year Annual Research Report
マイオカインによる臓器相関に着目した新規NAFLD治療ターゲットの探索
Project/Area Number |
20K22898
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
今井 則博 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (40877081)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | マイオカイン / 肝細胞 / ミトコンドリア呼吸 |
Outline of Annual Research Achievements |
同定したマイオカインに関連する因子のうち肝細胞への影響が十分に解明されていない4因子(Angptl4, Bdnf, Cxcl1, IL-6)について、肝細胞への影響を明らかにするため、培養肝細胞Hepa1-6、および筋芽細胞C2C12を用いたコンディションメディウム実験系の確立・最適化を行った。esiRNAを用いてC2C12細胞に対し標的マイオカインのノックダウンを行ったのちに、筋管細胞への分化誘導を行いマイオカイン4因子について筋菅形成におよぼす影響を形態学的に評価した。さらにコンディションメディウム実験系を用いて、マイオカイン4因子の肝細胞代謝への影響をSeahorse XFe24 Flux Analyzerを用いて評価した。 マイオカイン4因子(Angptl4, Bdnf, Cxcl1, IL-6)のノックダウンは、それぞれコントロールと比較し筋管細胞への分化誘導に明らかな差を認めなかったが、Seahorse XFe24 Flux Analyzerを用いた細胞代謝解析においてAngptl4およびCxcl1をノックダウンしたC2C12筋管細胞の培養上清は培養肝細胞Hepa1-6のミトコンドリアの基礎呼吸酸素消費量および最大呼吸酸素消費量を有意に抑制していること、さらに肝細胞のATP産生を有意に抑制していることを明らかとした。一方、BdnfをノックダウンしたC2C12筋管細胞の培養上清は培養肝細胞Hepa1-6のミトコンドリアの最大呼吸酸素消費量を有意に亢進することが明らかとなった。本研究結果により骨格筋より分泌されるマイオカインを主軸とした、脂肪肝、肥満に対する新たな治療ターゲットが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)