2020 Fiscal Year Research-status Report
ANCA関連血管炎に関わる血小板由来因子の分子機構と治療剤の探索
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20K22911
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松本 紘太郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (00815425)
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Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2022-03-31
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Keywords | 血管炎 / 血小板 / 好中球細胞外トラップ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らは、ANCA関連血管炎患者の臨床検体を用いて血小板・好中球のフェノタイプを検討した。研究代表者らは予備検討でANCA関連血管炎患者由来の血小板が液性因子を介して好中球細胞外トラップを誘導することを明らかとしていたため、本研究では複数種の液性因子を対象としたスクリーニングを実施し、血小板由来因子を介した好中球細胞外トラップに関わる分子を同定した。ANCA関連血管炎の血漿中CXCL4濃度は健常人や疾患コントロールと比較して高く、CXCL4がANCA関連血管炎患者由来血小板による好中球細胞外トラップ誘導に関連した。CXCL4はTLR9の刺激によって血小板から分泌され、CXCL4は濃度依存性に好中球細胞外トラップ形成を誘導した。AAV由来血小板によって誘導された好中球細胞外トラップ形成は、CXCL4の阻害剤によって抑制されることを明らかとした。ANCA関連血管炎由来好中球を用いた検討では接着分子の発現亢進を明らかとしたが、現段階では血小板やCXCL4との関連は明らかとしていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通りに進捗し、成果の一部を学術論文として発表出来たため。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)血小板由来因子であるCXCL4が好中球細胞外トラップを誘導する機序を明らかとするため、シングルセル解析を含めた詳細な検討を予定している。 (2)CXCL4が血管炎の形成に関与する既存のモデルを使用する。CXCL4の阻害が血管炎の治療標的となる可能性について検討を進める。
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Research Products
(2 results)