2022 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオゲノミクスを用いた口蓋扁桃における糖鎖異常IgA1形成機序の解明
Project/Area Number |
20K22915
|
Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
大山 友香子 藤田医科大学, 医学部, 講師 (70879717)
|
Project Period (FY) |
2020-09-11 – 2023-03-31
|
Keywords | IgA腎症 / O結合型糖鎖 / 口蓋扁桃 / 形質細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
IgA腎症の病態には、IgA1O結合型糖鎖異常が関与している。我々は日本人IgA腎症患者の特徴として、O結合型糖鎖数の減少したIgA1(O-glycan decreased-IgA1)の血中増加を見出した。本邦では口蓋扁桃摘出術の有効性から、鼻咽腔関連リンパ組織(NALT) の病態関与が着目されている。本研究では、糖鎖異常IgAの産生母地としての口蓋扁桃の役割を明らかにすることを目指した。本研究により、①血清IgA濃度は、健常人、慢性扁桃炎患者に比してIgA腎症患者で高いこと、②血清中O-glycan decreased-IgA1の割合は健常人に比して、慢性扁桃炎患者、IgA腎症患者で高いこと、③口蓋扁桃中のCD19陰性IgA陽性細胞(IgA産生形質細胞)の割合が慢性扁桃炎患者に比してIgA腎症患者で高いことが明らかとなった。このことから、口蓋扁桃における、IgA形質細胞の産生が血中糖鎖異常IgA産生に関与している可能性が示唆される。セルソーターを用いてCD19陽性IgM陽性細胞分画(ナイーブB細胞)/CD19陽性IgA陽性細胞分画/CD19陰性IgA陽性細胞分画中の糖転移酵素の比較を試みたが、CD19陰性IgA陽性分画は細胞数が少なく、解析が完了できていない。近年IgA腎症の治療薬としてLong lived plasma cellをターゲットにした抗CD38モノクローナル抗体の臨床治験が開始されている。我々は、最終年度に、フローサイトメトリーを用いて、形質細胞中Long live plasma cell(LLPC)サブセットを解析する手法を確立した。今後、LLPCの割合を明らかにするとともに、他のIgA産生B細胞との糖転移酵素発現レベルの比較を行っていく予定である。
|
Research Products
(7 results)
-
[Journal Article] Racial heterogeneity of IgA1 hinge-region O- glycoforms in patients with IgA nephropathy2022
Author(s)
Yukako Ohyama, Hisateru Yamaguchi, Soshiro Ogata, Samantha Chiurlia, Sharon N Cox, Nikoletta-Maria Kouri, Maria J Stangou, Kazuki Nakajima, Hiroki Hayashi, Daijo Inaguma, Midori Hasegawa, Yukio Yuzawa, Naotake Tsuboi, Matthew B Renfrow, Jan Novak, Aikaterini A Papagianni, Francesco P Schena, Kazuo Takahashi
-
Journal Title
iScience
Volume: 25
Pages: 105223
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-